2006年8月10日木曜日

札楽川の上流

新宮から西に国道179号線を進むと,平野という村があります。ここで栗栖川の橋を渡ると,札楽川という川があります。地形図を見ると,この川を遡ると破線道があり,善定と二柏野を結ぶ実線道に峠の西側で繋がっています。この道を歩いてみました。

札楽の村を過ぎると砂利道になり,その先に松尾神社という静かな佇まいの神社があります。農民歌舞伎の舞台が残っています。その先に獣よけの扉があり,林道という感じになります。地形図を見ると南東の山に崖のマークがありますが,採石場です。年一回ダイナマイトで岩を崩して,それを削って善定山の墓石として売っています。採石場には古い墓石が1000個近く集められています。新しい墓石を収めたときに,古いものを引き取って来ていたら,こんなに集まってしまったそうです。

この林道はかなり使われていて,しばしば車に会います。地形図では途中で破線道が分かれており,南に行く方は行き止まりになっています。この分岐点には,写真にあるように,お地蔵さんがあります。ここに,「右 山みち 一丁左 くろそう さかきむら」と書いてあります。他にもいくつか道が書いてありますが,ここでは触れません。

さてその「山みち」ですが,本当に右に行くと,川を渡って山に入ります。その山道なのかも知れませんが,まっすぐ行っても山道なので,直進してみました。まっすぐ行くと,送電線をくぐった先で車の通れる林道は右手に折れます。地形図で見ると大きな沢が北に入り込んでいる地点です。地形図の破線道はまっすぐ西へ行っているようなのですが,林道は北側に曲がっています。こちらに曲がっていけば,かなり先まで車で行けますが,倒木があるのでその後は歩くしかありません。この林道は,地形図にある小さな池(おそらく人工の溜池だろうと思います)の南をかすめます。ちょっと溜池の脇を通って,奥善定の三角点(417.2m)にも行ってきましたが,その先には東に尾根伝いに降りる道がありそうでした。Google Earthで見ると,この東側の山の上の方に林道がありそうです。

溜池の南を通ると,林道は南に折れてしまいます。結局沢を降りて,地形図の破線道に出てきて,東に戻ってぐるっと一周することになります。となると,地形図の破線道はどうなっているかですが,送電線の西を北に登らずまっすぐ行っても,結局この林道のコースを一周して帰ってくることになります。つまり,この破線道は,ある地点(溜池の南の沢の付近)から先は存在しないのです。じっさいこの辺りに行ってみると,破線道が北西に向かっている辺りは非常に深い谷で,歩けるような場所ではありません。

それでは,町界から先,破線道が北に向かっているところは道があるでしょうか?溜池から少し南に行った辺りから,北西に分岐する林道があり,行き止まりになっていますが,この先をむりやり登ると,町界の尾根に出ることができます。それを西に行くと,地形図の破線道と町界の交差点に相当する地点に出てきますが,どう探しても破線道はありません。とりあえず地形図で破線道が通っている沢を降りてみましたが,岩の多い藪でした。なんとか実線の林道まで出ましたが,道と呼べるものはありませんでした。

なお,善定から二柏野に抜ける実線道は,自動車で通行可能です。ゲートはありますが,開いていました。途中に何台か投棄された自動車があります。峠にはお地蔵さんがあります。

地形図の破線道が実際には無かったという経験をお持ちの方は多いと思います。存在しない道がどうしてあることになってしまったのか,そのへんの経緯には大変興味がありますが,調べるすべはないんでしょうね。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★★★

0 件のコメント: