2006年12月17日日曜日

雨ケ岳

雨ケ岳というのは,山崎から中国自動車道沿いに西に行き,高下あたりから南に行ったところにある三角点山です。ハイキングコースなどは全くありませんが,地形図では林道が延びており,登れそうな感じです。それに,谷間を南に行くと神保という廃村があるようです([1])。

林道の登り口は,高下の中国自動車道の高架下です。この辺りでは中国自動車道の高架下に獣避けの網戸が付いていることが多く,ここもそうなっています。林道は幅が広く,舗装はされていませんが立派なものです。ここから神保への道は,途中の地図では「町道」となっており,よく整備されています。林道の終点まで倒木はありませんから,普通乗用車でも行けると思います。同じ山の南側の高丸山付近の林道とは雲泥の差です。昔はこの道を通って神保から菅野小学校まで小学生が歩いていたのでしょうか([1])?

立派な道と言っても勾配はきつく,最初の助森の三角点までは息の切れる登りです。この三角点は町道脇の藪の中にありますが,普通の四角い石ではなく,単に丸い金属のプレートを埋めてあるだけなので,探すのに苦労します。たまたま測量に使ったのか発泡スチロールの板が落ちていたので気がつきましたが,これが無ければ羊歯の中に埋まった金属プレートを発見するのは不可能でしょう。周囲は木が多く,測量に使えるのかどうか気になります。

三角点の先も歩きやすい道が続きます。そして分岐点があり,右に曲がると雨ケ岳に登れます。この分岐点の付近は手入れの良い植林ですが,地図で見ると広い平坦地があります。ここは木が植えられておらず,何らかの作業場として使われていたのかも知れません。雨ケ丘へ登っていくと,左手(東側)の植林が切られており,展望が広がります。東側は山崎の長水山あたりまでがよく見えますし,写真のように北側は菅野川が見えます。このように,この付近では現在でも植林活動が活発なようです。

雨ケ岳の三角点(490.4m)は,林道の終点から尾根を登っていった所にあります。尾根は歩きやすい雑木林です。三角点の先も本郷峠に向かって歩けそうでしたが([2],[3]),引き返して地形図で三角点のすぐ南にある破線道を探しました。この道は三日月から山崎に抜ける最短ルートと思われます。尾根から東西の道を探したのですが,西側には道らしきものがありましたが,東側は急勾配の植林で,道と言えるものは見つかりませんでした。なお,まともな道があるという報告もあります([2])が,ゼンリンの地図では西側は道がありますが東側にはありません。無理に東側に降りてみようかとも思ったのですが,後で下から見上げたところ倒木もあり,降りなくて正解だったようです。

林道を戻って谷間の町道に戻り,次は東側の464mのピークに登りました。東に行く分岐を進むと,右手に小さな砂防ダムがあり,左手にも道がありますが,まっすぐ尾根を登っていきます。ぐるっと廻って西に向かいますが,464mピークのひとつ東側のピークで林道は終わります。地形図ではこのピークの北側に林道が伸びており,それが464mピークの南に達しているはずですが,そうなってはいません。東側のピークの北側は急斜面なので,藪になっているピークを無理にでも通った方が楽です。464mピークとの間の鞍部とその北側は植林がきれいに伐採されており,素晴らしい展望が広がります。464mピークそのものは藪です。

また林道を戻って,さらに谷間の町道を南に向かいます。この辺りでは既に沢は南に流れています。しっかりした道で倒木もありませんが,両側の斜面にはところどころ倒木が見られます。しばらく谷間を進むと,神保方面に向かう破線道との分岐に出ます。破線道を進んでみたのですが,倒木がひどく,神保に行くのは断念しました。そのまま南に抜けて帰れるのなら無理をしてでも進んだのですが,車を中国自動車道の下にとめてあるので,戻ることを考えると無理をする気にはなりませんでした。(その後神保には南の栗栖池からもアプローチを試みましたが,こちらも倒木がひどくて断念しました。無理をしてでも北からアプローチをするのが正解と思われます。)

そのかわり,林道を更に東に進みました。このあたりも良い道です。林道はずっと東まで延びていますが,途中で北に行く分岐があります。これは地形図の破線道で,じっさいはこれもよく整備された林道になっています。これが434mピークの南の付近まで続くのですが,そこで突然終わっています。林道が終わるのはしかたないにしても,その先に破線道に相当する道があるわけではありません。とりあえず斜面を登ると道らしきものがあり,434mピークの東側の鞍部に達しました。

この北側は,地形図では破線道が中国自動車道まで続いていますが,この道は倒木だらけで歩けません。道といっても,両側が盛り上がった溝の中を歩くような形になっており,そこに木が倒れていると避けようがありません。結局破線道の西側の林の中を歩いた方が楽だという結論に達しました。それでも倒木が多く藪も急斜面もあり,非常に困難な下りでした。最後は荒れ果てた小さな墓地を通り,中国自動車道に出ました。地形図では少し西に神社がありますが,倒壊したらしく,瓦が散乱していました。

林業活動の活発さが感じられる道でしたが,林道からはずれると悲惨な地域だということもわかりました。神保は南からのルートもかなり悲惨なようで([1]),現状ではまさに陸の孤島になっています。

展望 ★★☆
藪山度 場所によって★☆☆~★★★

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