2006年2月25日土曜日

楓池

楓池は,大成池(たつの市西側の山中)の北にあります。この池に行くには,大成池から西に林道を歩いて花菖蒲園に行き,トンボ池から行くのが一般的と思われます。このコースは,亀山あたりに立っている案内板の地図に「楓池コース」として示されているものです。しかし,播磨新宮を出発点にしたので,いっそ近畿自然歩道からはずれて,旧新宮町と旧龍野市の町界を歩くことにしました([1])。

播磨新宮駅から市野保まで歩き,新池を目指して歩きます。峠まで来ると新宮町と龍野市の境界の標識があるので,そこを右に曲がって北の尾根に出ます。ここから西に進路を取ります。ここは新池の北側の山ですが,新池はまったく見えません。大成池は少し見えました。善定側は急斜面で,ときどき展望が開けます。崖下には善定山の採石場があるはずです。町界には石の標識があり,番号が書いてあります。マーキングは多いので,あまり迷うおそれはありません。ところどころに大きな岩があり,中にはけっこうな奇岩もあります。

457mピークを過ぎて,いくつかのピークを経て町界は続きますが,アップダウンはさほどなく,歩いていて疲れないルートです。途中で大成池とトンボ池を結ぶ道に出ますが,すぐにはずれて町界に戻ります。町界は最後はトンボ池と楓池を結ぶ鞍部に降りていきますが,350mの等高線の辺りからは倒木地帯となっており,かなり歩きにくくなります。ここを突破すれば,楓池に出られます。

写真は楓池の東側の道から撮ったものです。美しい池ですが,この付近には散弾のケースがたくさん落ちていました。池のこちら側から反対側の斜面の鹿を狙うのでしょうか。

楓池は人工の溜池です。「楓池改修記念」と書いた昭和37年の碑が建っていましたが,南からも北からもまともな道のないこんな場所によく堤防を作れたものだと思います。じっさい楓池から札楽川に降りる道は,途中に砂防ダムはありますが,自動車が入れそうな道ではありません。楓池が最初に作られたのがいつごろなのか分かりませんが,相当な努力があったと思われます。

途中にちょっと倒木はありますが,気持ちの良い尾根歩きのルートです。播磨新宮から一周コースになりますが,善定に降りてから駅までが遠いのがちょっと難点かも知れません。

展望 ★★☆ 藪山度 ★★☆

2006年2月18日土曜日

川西の藪山

この山は、夢前川と菅生川の合流点の北にあります。地形図で見ると、「く」の字を左右反転させたような形をしています。中央を東西に送電線が通っています。もっとも高いピークは120m+で,決して高い山ではありません。しかし,かなりの難所と言えます。

この山への最初のチャレンジは,北西の尾根の端から試みました。顕正院妙見堂という寺があり,そこから尾根に上がれそうでした。しかし,この辺りは植林が重なり合って倒れており,とても歩ける状態ではなく,引き返しました。

二回目は,西側の大白書中学校の裏から登りました。ここには送電線の巡視路があり,鉄塔のある尾根まで簡単に登れます。途中に、南側の尾根へ登れそうな場所があります。ここは低い石垣があり,他にもなにやら人工物があるので道がありそうですが、非常に急な斜面です。夏だったので草木が生い茂っており,ここから登るのは断念しました。鉄塔のある尾根まで登って尾根伝いに南北のピークへ行けないかと試みましたが,やはり藪がひどくて断念しました。まっすぐ送電線沿いに巡視路を歩いて東の夢前川側に降りました。

三回目は冬に行きました。二回目と同じく西側から登り,前回に見つけた場所から無理やり南側の尾根に上がりました。夏に比べれば藪は少しは楽でしたが,急斜面には変わりはなく,非常に苦労して尾根に出ました。南側の尾根には二つのピークがあり,その間に出てきたので西南の最も高いピークを目指しました。ここらは潅木の藪で,枝を折りながら進まざるを得ません。一応ピークには達しましたが,あちこち擦り傷だらけになってしまいました。途中に南側の展望のある場所があり,西に京見山の山系,東に鬢櫛山の山並みがあって,その間を流れる夢前川を見ることができます。 写真は,その様子です。この日はデジカメを持っていなかったので,携帯のカメラで撮りました。

次は115mのピークを目指しました。こちらも南側には展望のある場所があります。少しは道らしい場所を見つけることもできますが,ピークは藪の中です。ここから尾根上の鉄塔までは,比較的楽に歩けます。夏には入れこめない薮と思った鉄塔の周りの草むらの東南のコーナーに出てきました。つまり,一番簡単に115mピークに出るには,この鉄塔の南側の薮を突破すればよいわけです。

最後は鉄塔から北側の尾根を歩きました。これが南側に劣らず厳しい薮で,道のあるところもありますが灌木の薮,羊歯の薮などあらゆる種類の障害が現れます。北西に尾根の端に近づくと,木の種類が書いてある緑色の札が木にかかっています。さらに廃屋が現れます。トタンでできた家ですが,中には祭壇のようなものがあり,姫路市西脇の石切八社主神社を思い出しました。ひどい荒れようです。この付近は飾西台の上に当たります。ゼンリンの地図(たとえばGoogle map)にはこの廃屋がのっています。

この後は,一回目に登ろうとして断念した倒木の間を抜けなければなりません。この時はなんとか倒木の上や下を通って,妙見堂に降りることができました。

この山は,周囲に住宅地があり,畑もありますが,ほとんど誰も立ち入っていないように見えました。北向きには展望はまったくありませんが,南向きの景色は悪くありません。遊歩道を作れば,散歩する人も増えるのではないでしょうか。

展望 ★★☆
藪山度 ★★★


2006年2月12日日曜日

伯母山と北の尾根

伯母山は,姫路の西にあって三等三角点のある山です。「播州野歩記」にも紹介されています([1])。一つの山ではなく,地形図で見ると南側に東西に走る二列の山並みがあり,三角点はそのうちの北側の山並みの東側にあります。さらにその北西に小さな山があり,北には山陽自動車道に沿って東西に走る山並みがあります。

登り口は,長池の近くのパチンコパーラー駐車場です。ちょっと藪っぽいですが,なんとなく登れて,登ると石切場の上に出ます。長池のラブホテルが目障りですが,ここからの展望はなかなかのものです。

ここから伯母山までは峰に沿って歩きますが,なんとなく道のようなものがあります。峰がつながっている場所では道がよくわからなくなり,三角点(179.3m)付近はかなり歩きにくかったように思います。

「播州野歩記」ではこの三角点から山を下りていますが,ここから西に,さらに北に繋がっている山を尾根伝いに歩いてみました。

西側の山は地形図で見ると綺麗に丸い形をしています。伯母山から西に歩いていったん標高100m以下まで降ります。この付近には,ほとんど道がありません。鞍部まで降りると,まっすぐに北西に登る道があります(鞍部を通る東西の道もありました)。この山の頂上は展望はありませんが,少し北に行くと山陽自動車道の白鳥パーキングエリアが見えます。ここから北東の鞍部まで降りる道は無くて,植林の間を降りました。

こちらの鞍部からは送電線鉄塔の巡視路らしきものがあります。高圧線の鉄塔まで登ると,良い景色が楽しめます。さらに灌木の間を登っていくと,191m地点に出ます。この後は尾根伝いに東へ歩きましたが,歩きやすいのは尾根の南側で,ときどき岩があって展望が開けました。見えるのは実法寺から天神山ですが,なかなか良い眺めです。 写真は,この山の上からの姫路方面の展望です。

最後は東の尾根の端で山を下りました。

これらの山は,姫路からさほど離れていませんが,はっきりした道がありません。全部歩くと時間がかかりますが,北側の尾根だけだと散歩コースと言えるくらいです。東側の送電線近くの溜池付近から送電線の巡視路を見つけて西に入って,尾根を東に歩いて降りてくると,展望もよく,楽しめそうな気がします。

展望 ★★★
藪山度 ★★☆