2008年6月7日土曜日

馬谷から明神山

大人気の明神山ですが,西から登るルートはあまり開拓されていません。しかし,地形図を見ると西からの2本の尾根は絶好の登山ルートと思われます。そこで,2本の尾根で西の馬谷から往復するルートを試みました。このルートは別々にレポートのある([1],[2])2本のルートを一緒にしたのと同じです。他にもネット上にはいくつも登山記録が見つかります([3],[4])。

出発点は馬谷の神元神社。裏手から低い植林の山に入り,尾根伝いに登っていきます。何種類かマーキングがありますが,ピンク色のが明神山まで続いていました。たまにシダが生えていたり数本の倒木がある程度で,歩きやすい尾根です。標高が上がると木の枝の間から明神湖などが見えるようになります。

馬谷四等三角点(447.4m)に近づくと,大きな岩が尾根を塞ぎます。トラロープもありますが,右手を巻いて進むことができます。裏手から岩に登ると西側に素晴らしい展望が開けます。中播磨県民局の菅生反射板や末広三角点など,明神山を見るのに絶好のポイントを逆に見ることができます。この付近は岩場が続き,岩が途切れて歩けなくなる場所もありますが,岩から降りて巻いて進めます。三角点は土のピークにありますが、普通は埋められている下の部分が土から出てしまっています。

この後も歩きやすい道と岩場が続きます。一箇所だけトラロープを使わないと登れない岩がありました。ここを降りるのは大変でしょう。展望はあまりありませんが,下山に予定している尾根の岩場が見えて期待と不安がわき起こります。

尾根の終点は小明神です。急な坂を登りますが,頂上は意外と地味で,展望はありませんし木に札の一つも下がっていません。一つだけ,木に巻いてある黄色いテープに小明神と書いてありましたが,これが無ければどこの藪山とも変わりありません。小明神と呼ばれるピークは他にもあるようで、556mピークと呼んでおくのが無難でしょう。

ここからは明神山に連なる尾根ですが,これも岩場が多く楽しめる尾根です。いくつかのピークがあり,最後に小ピークがあって,岩がごろごろして登りにくい急斜面を登ると登山道と合流し,明神山の頂上に出ます。地形図からも明らかなように,これは疲れる登りです。ここまで2時間半でした。

明神山の頂上はいつものように人口密度が高いので,下りにかかります。南西に延びる尾根に乗りたいのですが,ルートはありません。A,Bルートの登山道を降りて,9合目の下で右の藪に入って尾根に乗りました。何のマーキングもありませんから,これは易しい技ではありません。遠目に尾根らしい平坦な地面が見えたのでそれを目指したのですが,これを見つけられないと目標はありません。

尾根に乗れば後は快適な尾根歩きです。この尾根も岩場が多く,何ヶ所かトラロープがあります。尾根上の岩はたいていは巻いて進めます。雰囲気としては,七種鎗の南の尾根と似ています。北側の斜面は反対側の尾根から見ての通り崖が多く,一歩踏み外すと転落という場所もありますが,危険と言うほどではないと思います。こちらの尾根から見ると,登りに通った尾根の,特に小明神の下の斜面がかなりの岩場であることが分かります。このルートの楽しいところは,行きと帰りで互いの尾根がよく見えることです。二つの尾根と,小明神と明神山を繋ぐ尾根で谷の三面が囲まれている様子がよく分かります。どれも斜面はとても急です。

振り返ると明神山が見ますし,東には登山コースになっている尾根が見えます。馬谷三角点のある尾根よりもこちらの尾根の方が展望は良いようです。389mピークの手前にトラロープを使わないと降りられない岩があり,ここが最大の難所かも知れません。389mピークで尾根道は90度曲がりますが,その先も少し岩場があります。そして標高が下がるにつれて藪山っぽくなりますが,ピンクのリボンが道を明確に示してくれます。最後はリボンが見つからなくなりましたが,植林の間を降りて道に出ました。目の前にあった「かじかの里」で蕎麦を食べて帰りました。

このルートは4時間を越す長い尾根歩きですが,岩場が多くて楽しめます。けっこうスリルもあります。ピンクのリボンがありますし,はっきりした尾根なので迷うことはまずないでしょうが,下山の尾根を見つけるのだけが難所でした。

展望 ★★★
藪山度 ★☆☆

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