2008年9月7日日曜日

山崎の横野三角点

横野三角点は、山崎町の塩田と上牧谷の間の山にあります。付近に横野という地名が無いので、探しにくいと思います。この三角点は塩田と上牧谷を結ぶ県道523のすぐ北にあり、アプローチは簡単そうです。

車を塩谷にとめ、舗装された県道523を歩き始めます。すぐに「通行不能 塩田一宮線」と書いた札が立っています。舗装道路は左に折れて進んでいます。先に行って通行不能にしろ、舗装道路が県道だと思うのが普通のような気がしますが、実はこの舗装道路は地形図で北に分岐している林道です。間違えて舗装道路を歩いたのですが、途中に配水池があり、その谷の奥でいきなり終わります。その先にも作業道があるようで、ここからでも山には登れそうでしたが、目的の三角点からは遠いので、県道に戻りました。

地形図で破線道になっている県道は、どんどん藪っぽくなります。しかし途中に「火の用心」と書かれた赤い札が立っており、これが関電の巡視路になっていることが分かります。これは非常に心強いことで、谷の南側斜面が大倒木地帯でも、道はとりあえず歩けますし、最後の峠の手前には関電の黒いプラスチック階段が敷設されています。

峠に出ると、上に63、下に64、右に「降」と書かれた赤い「火の用心」が立っています。目指す横野三角点は64号鉄塔の脇ですので、64を目指します。63号鉄塔には、前日2008/09/06に行っています。64号鉄塔へは植林の中の良く整備された道を登ります。最終は急勾配ですが、意外とあっさりと鉄塔に着きました。播磨西線64号鉄塔で、これも巨大です。東西の展望が良く、水剣山の反射板、黒尾山の鉄塔も見えます。忘れてならない横野三角点(406.3m)は、鉄塔の少し南にあります。

鉄塔から北に尾根を進みました。しばらくは65鉄塔に行く巡視路がありますが、これは東隣の尾根にある鉄塔なので、途中で尾根から降りてしまいます。こちらは真っ直ぐ尾根を進みます。植林の中の気持ちよい尾根歩きですが、一部分倒木地帯があります。次の480m+のピークへの登りは大変な急勾配で、木と岩に掴まってよじ登りますが、木は枯れていますし岩はぼろぼろに砕けてしまうことが多く、手こずりました。頂上は岩場ですが、展望はありません。

少し北に歩くと、眺めの良い植林の尾根に出ます。眺めが良いのは木が刈られているからで、北側の展望があります。この付近の尾根は手入れが良く、林道が近くまで来ていることをうかがわせます。最初に間違えて終点まで行った林道が、この尾根の西に来ています。そちらにも下山できそうでしたが、目標は尾根を北に進んで中野から塩谷につながる破線道に出ることでしたので、北東に尾根を進みました。その尾根の東の端は岩場ですが、アンテナ群があります。普通のVHFアンテナの他にコイル状のアンテナが立っているのが目を引きました。もう使われてはいないようです。東側の展望があり、目の前に水剣山がそびえています。

ここから尾根は北西に向かいます。しばらくは植林ですが、だんだん倒木が増えてきて、倒木地帯に突入です。だいたい標高460mから470mの間の付近は倒木が多く、その間に背の高い草が生えています。幹の太い草で、半分以上は枯れていますが、足元が見えないので倒木がどこにあるかすら分かりません。少し西側に降りてゆっくりと進みました。その先には450m+の鞍部があり、ここから西に植林を降りようかと考えていたところ、石仏を見つけました(写真)。地元の方が置かれた物のようで、人物は一見すると町人のようですが、蓮に載っているところを見るとこれは仏像なのでしょう。それよりも、この山の上まで来て「家内安全」というのに驚きました。ここまで来て家族を思う気持ちに元気づけられて、もう少し尾根を西に進みました。

ところがこの鞍部からすぐの所で東側を見ると、大規模な伐採が済んでおり、尾根から東側が裸になっています。ここが中野から塩野に抜ける破線道が通っているべき谷であり、おそらくひどい倒木が起きてそれが処理された跡なのでしょう。尾根上は木が切ってありますが、西側への倒木はそのままで、草も生え放題です。尾根を進むのは大変でしたが、東側の眺望は素晴らしく、目の前の水剣山から伊沢川の上流がよく見えます。

尾根の西側に破線道を探しましたが無いので、急勾配の植林を降りました。それから倒木の多い沢を降り、さらにシダの大草原を通り抜けると、林道に出てきました。これが地形図の実線道のようです。ところがこの林道は南にも延びています。とりあえずは地形図どうりに西に進みました。かなり溝の深い未舗装林道ですが、歩くのは楽です。そのうちに道がだんだん登りになるので地形図で確認すると、この林道は地形図の実線道とは違って北斜面を水平に進んでいます。地形図で実線道が南に折れているところに行ってみましたが、谷の真上で、道はありません、林道をそのまま進むか地形図の道を探すか悩みましたが、林道はどこに繋がっているか全く保障がありませんから、谷を降りてみることにしました。この谷は倒木が多く、沢は歩けないので斜面を斜めに降りました。しばらく降りると林道に出てきましたが、終点ではなく、北と南に分岐していました。可能性としては、北への分岐は先ほどの水平道に、南への分岐は尾根から降りてきたところで南に向かっていた林道に繋がっていたかも知れませんが、確認しないことには分かりません。

この後は、林道を降りて車まで戻りました。

県道523にはよくお世話になっています。与位から梯に繋がる倒木で塞がった峠越えの道も、梯から大谷に繋がる峠越え(見つけられずに梯の村の中に出てきた)もそうです。そしてこの大牧谷から塩谷に繋がる峠越えも、自動車はおろか歩くのさえも大変です。県道と言うからにはもう少し整備していただいても良いのではないかと思います。

展望 ★★☆
藪山度 ★★★

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