2008年1月26日土曜日

飯盛山から光明山

飯盛山(196.8m)は龍野の西にある山で,播磨自動車道が南北に突き抜けています。播磨風土記にも記載がありますが,北を通る県道5号は昔は街道でしたから,交通の要所でもあったと思われます。地形図では綺麗な同心円のピークになっており,登りにくそうに見えます。

登り口は,揖西町長尾,東に延びる尾根に建てられている岳神社です。この神社への参道は,この尾根の北と南と両側にあり,神社は南側ですが,南北に尾根を横切る道があります。この道の一番標高の高い地点から登り始めました。

最初に目指したのは,すぐ近くの100m+の平坦地です。けっこうな急斜面で,疲れました。登ってみると平坦地は意外と狭く,数メートル四方しかありません。しかし,木々の間から既に龍野が見えます。

実は神社の道から飯盛山へ向かう道があります。消えかかっていますが,この100m+のピークを北側で巻いて,長い鞍部を通って飯盛山の南東へ向かっています。その後は飯盛山を反時計回りに巻いています。私は道が頂上の北東付近に来た頃に,しびれを切らして頂上まで斜面を登りました。もっと巻いていけば,登頂する道があったのかも知れませんが,頂上で探した限りでは,はっきりした登頂ルートは見あたりませんでした。

飯盛山の山頂には四等三角点があります(写真)。付近数メートル四方の木は切ってありますが,周囲は林なので遠景は望めません。三角点自身も枯れ草に埋まっており,夏はひどい状態なのかも知れません。しかし空は見えるので,測量用の棒が近くの木にくくりつけてありました。

飯盛山からは,光明山を目指しました。まず西側の斜面を降りなければなりませんが,ここはひどい藪です。歩きやすい木とシダの隙間を見つけて降りてゆくと,100m+の鞍部に出てきますが,ここから西の236mピークあたりまでは道があります。番号の付いたプラスチックの標識が埋まっており,鞍部が5001番で,西に向かうと番号が増えます。

236mピークを過ぎ,尾根が南に折れるところは,割と歩きやすかったと思いますが,その先で200mの等高線を降りるところは背の丈ほどのシダ藪がひどく,何度も後戻りして道を探しました。結局,シダはある高さから上にしか生えていないので,まず西に向かってシダの無い斜面を降りて,シダ藪の下に出てくるという道を採りました。この後も歩きにくいところがありますが,番号付きの標識が続いています。

再び200mの等高線を越すあたりからは,かなり歩きやすくなりました。尾根に乗れば,光明山まではほとんど問題ありません。光明山には2006年9月に来ていて,その時には三角点も城跡も見つからなかったので,今回も探したのですが,やっぱり見つかりません。三角点は,完全にシダ藪に埋もれていると思われます。

車を長尾にとめてあるので,帰りは2006年9月と同じく東南に尾根を歩きました。普通なら201mピークの東の尾根を降りるのですが,これは播磨道が横切っているので,その手前の沢を降りることにしました。これは正解で,暗くて湿っぽい沢道を予想していたら,意外としっかりした道がありました。ほとんど障害無く長尾に降りられました。ただ,この道は地形図には実線で書いてありますが,車の通れる道ではありません。

このコースは,気持ちの良い落ち葉の山道と藪が交互に現れます。変化に富んだと言えば聞こえは良いのですが,途方に暮れる藪もありますので,一般向けではないと思います。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★★

2008年1月19日土曜日

県道5号線から車池へ

車池は,たつの市の西の山中にある美しい溜池です。改築記念碑に「数百年来五部落の生活を支えてきた車池も」とあるくらいですから古いもののようですが,かなりの山奥にあります。とはいえ,菖蒲谷森林公園へ行く道が近くを通っているので,今では車でも行けます(だから「くるまいけ」?)。

しかし,南の県道5号線からのアプローチは,ハイキングコースもなく,三角点もなく,町堺でもありません。こんな地味な山歩きを試みました。

登り口は揖西町新宮の神社にしました。県道5号線に近い南側の神社ですが,行ってみても名前が書いてありません。この付近は動物避けの柵がしっかりしているのですが,近くの竹藪の道を入っていくと,柵に戸があったので,そこから山に入りました。道は尾根には上がっていないので,例によって腕の力を使った登山となりました。急勾配ですが,登れます。しかし登ってみると尾根には良い道があり,しかも石仏が点々と置いてあります。なんとこの山には四国八十八霊場の仏像が置かれているのです。この近くでは坂越にも同じ趣旨の山がありますが,四国を巡るのと同じ御利益があるとすれば,とても便利なものです。

お遍路は90mのピークから通り,154mのピークへ行き,そこから山を下りるようになっています。登り口は確認していませんが,村落の中でしょう。今日の目的はお遍路ではなく,さらに西の尾根に進みたいので,154mピーク付近から藪に入ります。

この先は道が無くて歩きやすくはないものの,歩けます。時々シダが生えているので,あまり楽しい尾根歩きではありません。しばらく西に進むと溜池の方から道が上がって来ています。この道は林道と言うほどのものではなく,手入れもされていないので時々消えかかりますが,この先かなり長く続いているようです。ただ,必ずしも尾根を通っていないので,うかつに歩いていると山を下りたり違う尾根に行ったりしそうで,なるべく尾根を歩きました。

231mピークまで来ると,西側の展望があります。木が邪魔ですが,播磨道が見えます。ここからは北向きに進みますが,ところどころ痩せた尾根があったりして,結構楽しめます。道はあったりなかったりで,シダが邪魔な所や,枯れ木の密度が高くて枝を折らないと進めない場所もありますが,落ち葉が気持ち良い雑木林の藪山です。

300mまで登ると,北東に尾根は進みます。東に揖保川や的場山が見える場所もあります。痩せ尾根を歩いてさらに尾根沿いに350mまで登ると,地形図に小さく350mのピークが書いてありますが,ここには驚いたことに小屋があります(写真)。波板で作ったものですが,スリッパ型のトイレまで付いています。トイレにはドアがありませんが,小屋にはドアがあります。中には薪が蓄えてあるように見えましたが,この山頂までどうやって小屋の機材を運んだのか,これらの薪をどうするのか不思議です。このあたりからは網干が見えます。

さらに北東に進むと350mの広いピークがあります。ここも気持ちの良い場所でした。この辺りにはマーキングもあるのですが,ここまで来て道に迷いました。北の340m+ピークに行きたかったのですが,少し東に寄りすぎて斜面を降りたらしく,倒木を乗り越え,さらに急坂を登る羽目になりました。もっと西側を歩けば,尾根が繋がっているのでずっと楽だっただろうと思います。

この340m+ピークには,標石があり,テープでマーキングがあります。この先は,この標石どうりに歩きました。尾根を西に進み,尾根の外れから北に進みます。最初の予定ではここから車池の堤防に降りて,破線道を進んでから地獄谷三角点に通じる町界で南下するつもりだったのですが,車池の南側を通った方が近道なので,標石に従って西に向かいました。おかげで美しい車池は木々の間から垣間見ただけでした。

この辺りの尾根は広くて分かりにくいのですが,標石と3種類の色のマーキングテープがあります。西に進むと小さな池がありますが,この池の北側の車池との境にあたる鞍部は,標石135でした。この付近は標石もシダに埋まっていたりして,迷いそうな場所です。なるべく尾根沿いに歩いて,町界に出てきました。地獄谷三角点の南の300m地点のさらに南です。

あとは,2007年1月に二木から歩いた尾根道の逆コースです。一度歩いたコースなので楽ちんと思っていたら,道はないし,結構アップダウンがあり疲れる上に,何度も尾根を間違えて迷いました。なるべく早く小犬丸に降りたかったのですが,320mピークを過ぎ,244mピークまで歩いても降りる道は無く,結局244mピークの西で切通しが尾根を南北に横断していました。ここから南に歩くと,棚田のような場所を抜けて,大長寺池に出てきました。

最後は出発点にとめた車まで3キロほど5号線を歩きました。このコースは,自転車を持っている人にお勧めです。車池に自転車を置いてから登れば,帰りは舗装道路を下るだけです。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆