2009年9月26日土曜日

神河町の入炭山(栗村三角点)

粟賀町から生野方面に播但道や312号線を北上すると、左手に高い山並みが見えてきます。その上に紅白に塗られた鉄塔が何本か立っており、あそこに行ったらさぞかし展望が良かろうと思ったのが、事の起こりです。この付近については[1]に記録があり、参考にしました。ただし2004年6月の記録なので、その後台風で何が起きたか分かりません。

車は夫婦杉で有名な杉の集落に止めて、312号線沿いの大山簡易郵便局のところから登り始めました。墓地を過ぎ、ゲートボール場を過ぎて登ると、播但自動車道の上を越す歩道があります。この入口が鹿避けの扉になっていました。播但道を渡ると、いよいよ破線道を登り始めるのですが、ここには草の刈られた道があり、シダの生えた植林に入っていきます。明らかに破線道とは異なる道ですが、これしか見つからないのでこれを登りました。植林に出てきて、シダをかき分けて植林の北端まで登ると、道がありました。かなり荒れていますが、間違いなく破線道です。真っ直ぐに山に向かって登って行っています。場所によっては草が生えたり両脇の木がせり出していたり、ひどい場合は真ん中に木が育って道を塞いだりしていますが、ほぼ辿れました。

谷に出てきて、道を探すと北側に踏み跡がありました。途切れ途切れですが、植林の中を登って行っていました。そのうちに藪がひどくなり、突破するのが大変になったので谷に降りると、目の前に土管が見えました。これは地形図にある林道です。道の下側は明らかに植生が変わっており、大きな草や細い藪が茂っていました。これらをかき分けて、道路脇の石積みをよじ登って林道に出ました。「工事作業中落石注意」と書いた板が立っていました。

さらに登ろうとすると、いきなり鹿避けネットに立ちふさがれました。潜れる場所は沢だけだったので、濡れた岩の上を通ってネットをくぐりました。ここからも谷の北側の植林の中を歩きました。倒木もありますが、適当に切ってあるので邪魔なのはむしろ灌木でした。そのうちに勾配が急になり、伐採した木が増えてきました。見上げると林道があります。林道を造るときに伐採し、下に投げ捨てた木が行く手を塞いでいました。その間には背の高い草や灌木も生えています。急斜面で地面は崩れやすく、注意深く登らないと滑落しそうでした。しかも林道に着いても、鹿避けネットが張ってあります。このネットは下から誰かが登って来ることは想定しておらず、入口は無いようでした。しかもネットは林道の端ぎりぎりに建てられており、ネットに沿って歩くことも困難でした。しかたなくネットをの下端を杭に固定している針金をほどき、ネットを20cmほど持ち上げてその下をくぐりました。

この林道は地形図には載っていませんが、「県民緑税の活用 平成十八年度整備」と書いた杭が立っていました。道路から見上げたときに見えるのはこの林道で、標高500mです。道の上側と下側と両方の斜面の木が伐採されており、かなり荒療治という印象を受けます。税金を納めた県民としては言いたいことがいろいろありますが、とにかくさらに谷を登り続けました。

この先が傾斜の一番きついところで、何度か休みました。植林の中の荒れた道ですので、急ぐと落ちている枝に足をひっかけて転んだりします。ゆっくり登りましたが、道が消えかかっているところが多く、最後は水の無くなった沢を歩きました。突然赤い「火の用心」の矢印が現れました。どこからここへ出てくるのか分かりませんが、登り方向を指しているようです。このあたりから勾配が緩くなり、歩きやすくなりました。最後は道が分からなくなりましたが、緩やかで広い植林地帯で、まっすぐに尾根に出ました。登り始めから約2時間かかりました。

尾根は植林です。地形図では反対側にも破線道がありますが、見たところはっきりした道は無いようでした。ただし登ってきた方にもはっきりした道はありませんから、状況は同じかも知れません。尾根で休んだ後に、送電線の鉄塔を見に行きました。北東に760m+のピークに登り、ちょっと八幡山方面の景色を見てから779mピークに向かいました。シダが生えていますが、道があります。途中で北方面の視界が開けるところがありました。鉄塔はピークからネットの張られた岩だらけの尾根沿いに少し降りたところに立っています。紅白に塗られた巨大な鉄塔です。播磨中央線33で、平成13年6月とあります。静電誘導方法航空障害燈というものが設置されているようで、夜は点灯するのでしょう。斜面に立っていますが、下は芝生状態なので、寝ころんで休めます。展望はさすがに素晴らしいのですが、開けている南方面は逆光なので良い写真が撮れません(写真)。晴れで風が気持ち良く、しばらく寝ころんでいました。帰りにネットの脇に鹿の骨が落ちていることに気がつきましたが、角が引っかかった可哀相な鹿でしょうか。

尾根に引き返し、後半戦です。シダで消え気味な尾根道を登って、反射板まで登りました。海抜833mの関西電力大山反射板です。4m角と、やや小振りなもので、北西を向いています。さらに尾根を南西に進みましたが、この山に登って一番感じたのは、静かだということです。季節もあるでしょうが、蝉や鳥の鳴き声がほとんど聞こえません。この付近の尾根はシダが多く、植林の倒木もあり、歩きにくい感じでした。三角点のあるべき場所はシダに覆われていました。プラスチックの白い棒の先が見えていなければ発見不可能だったでしょう。棒の近くのシダをかき分けると標石が出てきました。上に木の板が渡してあるのですが、それごとシダに覆われていました。栗村二等三角点(816.93 m)ですが、二等三角点にしてはひどい状況です。この場所にはもう一つ反射板がありました。名前などは見なかったのですが、西を向いている大きめのものでした。そのため西側の展望が開けています。

この先はいよいよ下山ですが、いきなり道を間違えました。反射板から降りて行くと西の尾根に行ってしまいます。南の尾根に乗り換えると、次は再び鉄塔です。播磨中央線31です。ここからも西側の展望が得られます。この先の南に向かう尾根は植林で、暗いことを除けば下草が無く枝も落ちていないので文句の点けようがありません。802m地点には、赤い「火の用心」があり、西の尾根に進むと30番の鉄塔に行けるようです。これら番号の書いてある「火の用心」は縦長のもので、矢印の形のものには番号が書いてありません。今は縦長の方だけが使われているのでしょうか。

尾根はここで南東に曲がりますが、周囲は植林で歩きやすく、どんどん進めました。ここは以前は町界でしたが、特に標石は無いようです。昔の町界どうりに尾根を降りましたが、640m付近で気を付けないと、尾根は南に曲がってしまいます。下山を考えてここは真っ直ぐに藪に入りました。藪と言っても木の間隔は開いており、そのうちに道も現れました。急斜面を登り、629mピークに出ました。尾根は南東に向かって494mピークに行くのですが、車を取りに帰ることを考えて東に延びる尾根に乗りました。

この尾根も歩きやすく、ほとんど問題はありません。570m+付近に小さなピークがあるのですが、その先は非常に急斜面で、思わず南東の尾根に向かいましたが、すぐに北東の尾根に戻りました。急斜面ですが少し降りれば道があります。その後は歩きやすい植林の尾根でしたが、さすがに最後は植林が終わり、道が無くなりました。細い木がやや密に生えた雑木林でしたが、これも暗いことを除けば歩きやすく、意外と楽に降りられました。最後はまた植林になり、そのまま降りてもよかったのですが、川に降りると嫌だったので少し南に寄ってみました。すると広い草地がありましたが、草の背が高いのでここは避けて、少し下の植林の山に向かいました。これを抜けると、舗装道路に出てきました。地形図で養鶏場(?)から北に向かっている道のようで、これを歩いて鹿避けの扉を通ると人家に出てきました。あとは播但道をくぐって杉の集落に戻りました。

Yahooの航空写真ではゴルフ場の北の養鶏場(?)の場所は空き地(原っぱ?)になっており、どうやらその付近に出てきたようです。

全行程5時間程度でした。尾根はよいのですが、登りの破線道は危険です。まず上の林道に出て、そこから尾根を目指すべきですが、どこから500mの林道に出るかが問題です。おそらく下山して出てきた付近から登れるのではないかと思います。

展望 ★★★
藪山度 ★★☆ 危険箇所有り

地形図は「生野」です。

0 件のコメント: