2009年11月21日土曜日

西カニワ渓谷から皆河三角点

雪彦山の登山ルートとして、安富町関から北に行ってカニワ口(かにわぐち)渓谷を遡るルートがあります。この時にカニワ口渓谷に行かず、そのまま北に行ったらどうなるのか疑問に思っていたので、行ってみることにしました。関から林田川を遡ると、左手に岩山が聳えており、さらに進むと「千寿の水」があります。ここがカニワ口渓谷の入口ですが、ここで川を渡ると「通行不能 路線 東河内安積線 理由 巾員減少1.0m 箇所 これより300m先」という看板が立っています。道は立入禁止となっていますが、これを北に進みました。

この道は県道430号線です。起点は一宮町東河内で、終点は安富町(安志?)ですが、通行不能区間が「宍粟市一宮町東河内 - 宍粟市一宮町東市場間」と「宍粟市一宮町東市場 - 姫路市安富町関間」となっています。Yahooの地図を見ると、この北の山を越した岡城川沿いの林道が430号線となっています。つまり、これから歩くのは「宍粟市一宮町東市場 - 姫路市安富町関間」の通行不能区間となります。自動車が通れないのと人が通れないのは大違いですが、従来の経験から言って、このような場合は人も通れないケースが多いようです。「宍粟市一宮町東河内 - 宍粟市一宮町東市場間」の方は、破線道すらありません。

立入禁止の先には鮎釣りの施設がありますが、こちらも立入禁止です。その先には分岐があって、右の山に入る道に赤い「火の用心」が立っています。この山には送電線があるので、尾根伝いにそれに登る道だろうと判断しました。県道の確認が目的なので、沢沿いに進みました。次は地形図にもある堰堤で、「通常砂防工事 西カニワ堰堤」とあります。この沢の名前は西カニワ渓谷としておきます。

この辺りから道は消えてしまって、沢沿いに歩くことになりました。水の多い沢です。太い管が走っており、水を採取しているようです。岩だらけで水の多い沢は歩きにくく、疲れてきたので先ほどの送電線の巡視路に戻ろうかと思っていると、橋が現れました。しっかりとした石積みがあります。ここは地形図で破線道が沢を渡っている所ですが、東からはしっかりとした道が来ており、これが巡視路だと分かりました。沢歩きが嫌いなら、素直に「火の用心」に従えばよいようです。この橋は丸太や板でできていますが、かなり腐っていて危なそうなので、岩を伝って橋の下を渡りました。橋の反対側には「火の用心」があって、さらに上流を指しています。ここからは歩きやすい道になりました。地形図どうりに沢の西側の少し高いところを通っています。「カニワ公団造林地」と書いてあります。

頭上に送電線が見えてくると、8番と9番の鉄塔への分岐があります。その先は倒木が増えてきますが、だいたいは切ってあります。しかし道は沢を横切ってまた戻ってと、地形図とは必ずしも一致しません。そして炭焼き窯の残骸があったり、倒木がかなり増えて歩きにくくなると、小屋がありました。トタンの波板で作られた大きめの小屋ですが、完全に倒壊していました。ここは地形図で川の最上流にあたる場所です。ここより北の沢は倒木だらけでした。東側の山は登れそうでしたが、目的である県道を探すために一度少し戻りました。地形図の破線道は途中で西に折れているのです。破線道に相当する付近には植林の作業道があり、破線道どうりに北西、そして北に進みましたが、その先の沢はまた倒木だらけで道は見あたりません。そこで右手の尾根に登りました。これは地形図では沢と破線道に挟まれた尾根になります。急峻で長い尾根登りでしたが、障害物はなく、目指す姫路市と宍粟市の境界の尾根に着くことができました。関から歩き始めて2時間近くです。

尾根には鉄塔がありました。播磨北線14です。金属プレートの三角点もあります。岡城四等三角点(794.27 m)です。北側の眺めが良く、暁晴山や岡城川が見えます。ここからは東に尾根を歩きました。歩きやすい尾根でしたが、アップダウンがけっこうありました。周囲は植林が多いのですが、894mピークに出ると木や草が茂っています。展望は素晴らしく、姫路市最高峰の977mピークや高場山が見えます。ここでちょっと藪っぽい道を通って北に降りて、播磨北線17鉄塔に行きましたが、ここからの眺望も素晴らしく、染河内川流域も見えます。北に降りる巡視路があり、北を走る岡城林道から登ってこれるようです。地形図では岡城川沿いから破線道が延びていますが、これは見つかりませんでした。

ここからはネットの張ってある尾根を南に歩いて、皆河三等三角点(915.75 m)に出てきました。写真は三角点ですが、背景の鉄塔は姫路市最高峰です。展望は抜群で、海が見えました。ここには安富反射板(4x6m、標高910m、平成19年3月完成、中播磨県民局所属)が西を向いて立っています。周囲の樹木の伐採状況から見て、南北に電波を反射して伝えているようです。

さらにネットの張ってある尾根伝いに歩きましたが、ネットの北側はススキの原っぱです。伐採が進んでいます。しばらく東に進むと北東に延びている尾根があってそちらに行きそうになりましたが、注意して南東に進みました。この付近は道はありますが木の枝などが落ちていて、歩きにくくなっています。そして雪彦山ではおなじみの道案内板が現れると、播磨中央線13鉄塔です。ここからの眺望も素晴らしく、北東南と見渡せます。この付近はカニワ口渓谷から登ると出てくる地点です。

あとは雪彦山のメインストリートを、942mピークの分岐、雪彦山遭難対策協議会によるとauの携帯OKとなっているが圏外だった通称鉾立山、案内板だらけの雪彦山四等三角点(915.15 m)と進み、標識どうりに谷を降りて千畳平、鹿ヶ壺を見て関に帰ってきました。約5時間の道のりでした。

思ったよりも倒木が少なく、ひどい藪漕ぎもなく市境の尾根に出られたのは発見でした。安富反射板は姫路市最高峰から見つけて行ってみたかった地点でした。距離は長めですが眺望の良いルートなので、健脚派にお勧めです。

展望 ★★★
藪山度 ★★☆

地形図は「寺前」です。

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