2009年4月19日日曜日

関レークタウンから登る大河三角点

この日は、富栖湖から地形図の実線道で大河川を遡って、林道の終点から白倉山を南東から登ろうと計画していました。ところが富栖湖から林道に入るところで、入り口にチェーンが掛かっていました。林道とはいえ舗装された良い道なので驚いたのですが、林道の終点までは8kmくらいあって、歩くには遠すぎます。そこで予定を変更して、関レークタウンから北に歩くことにしました。

崖に鉄骨を組んだ上に家が立つ別荘地を抜けて、関レークタウンの一番上まで車で登りました。地形図では北の谷に延びている道ですが、車で行けるのは別荘のあるところまでで、その先には給水施設があります。どうやらこの別荘地の水はこの沢の水を使っているようです。沢から西側の尾根を巻いている小道があり、これで尾根の先端に出てから登り始めました。

道はありませんが、藪はないので楽に歩ける尾根です。ピンクのビニールテープのマーキングがかなり頻繁にあります。急勾配だということを除けば問題無く登れますが、一か所だけ尾根に大きな岩がありました。これは正面から登るのは無理なので、少し左に巻いてから登りましたが、それでも木や岩に掴まって登らざるを得ず、木が折れたり岩が崩れると転落してしまうので、細心の注意を払いました。

山頂に近づくにつれて、倒木や伐採された木が増えて、藪っぽくなりました。頂上付近でこの尾根は東側の尾根と合流しますが、その付近は山頂に窪地があり、とても良い雰囲気です。伐採された丸太に腰を降ろしてしばらく休みました。この北の尾根は倒れた木が多く、歩きにくいので、少し西側に降りて歩きました。西側の展望が開ける場所があり、一宮と黒尾山が見えました。伊和神社の森が見えます。この付近は西側の尾根が低いので、遠くまで見えるのです。800m+の山頂は藪で、展望も無く、安富町有林の黄色いプラスチックの杭があるだけです。

この先は、さらに北に向かいました。急斜面を下りたのですが、送電線の真下まで来ても登りにならず、地形図の尾根に乗っていないようなので、800m+ピークに向かって戻ろうとすると、道が尾根を横切っているのを見つけました。これを東に歩くとプラ階段があり、関電の巡視路のようです。西側の鉄塔から尾根上の鉄塔へ巡視路が伸びています。これを伝って少し東に行くと尾根に出てきました。北に進むと、鉄塔がありました。播磨中央線6です。付近は木が切られて展望が素晴らしく、東は雪彦山系の山並みと、それを二つの系統の高圧線が越してゆくところが見えますし、西は隣の白倉山に連なる尾根と水剣山が見えます。この場所は、以前に西隣の尾根を歩いた時に(2009/4/10)見えていて、行ってみたいと思っていた場所でした。

なお、地形図にある播磨中央線5の鉄塔の位置(送電線が曲がっている場所)は、おそらく正しくありません。正しい位置は、800m+ピークから北北西に延びる長い尾根の上です。これはYahoo!の地図と航空写真を比較して確認しました。

目的の場所にたどり着いたので、あとは関レークタウンに戻りました。まず800m+ピークに登りましたが、この鉄塔に降りる尾根をピークから見つけるのは難しいと思います。ピンクのマーキングも、この付近にはありません。やや東寄りに降りるのが正解のようです。

帰りは二股に分かれた尾根のうち、東側の尾根を辿りました。尾根が分岐してから二つ目のピークに、大河四等三角点(791.3m)があります。付近は広く伐採されていましたが、それでも遠くの木が高すぎて展望を遮ります。雪彦山系の山が、雑木林を通して見える程度でした。最近測量を行ったらしく、赤白のポールの先に白布が立っていました(写真)。

この後は、地形図には岩場が書いてあるので、怖い岩場歩きを予想していました。しかし、かなり急な岩の多い斜面を降りるところはありましたが、概して歩きやすい尾根でした。南側に素晴らしい展望が開ける場所もあります。全体に、西側の尾根よりも歩きやすいと思います。最後は買い手の付いていない別荘地に出てきました。木製の階段や通路が斜面に造られていますが、古い物で崩れないか心配しながら歩きました。

関レークタウンから見ると、この山は崖の上に聳える難攻不落の山に見えます。この別荘地の人達がこの山に登ることは無いだろうと思いますが、少し山歩きに慣れていれば手頃な山だと思います

展望 ★★☆
藪山度 ★☆☆

2009年4月11日土曜日

伊和の白倉山

白倉山は伊和三山の一つだそうですが、一宮の東に聳える山です([1],[2],[3])。展望を期待して登ってみました。

国道29号線を山崎を過ぎて北上して、一宮の道の駅の手前で東に曲がりました。この交差点は見落としやすいのですが、「はりま自立の家」の看板が目印です。この養護施設は、瀧ノ内林道の入り口にありますが、この林道を上っていくと、延命水という湧水の出ている場所があり、ここに行者堂もあります。この湧水は有名らしく、二つの蛇口ではいつも誰かが水を汲んでいます。ここから少し林道を上ると奥の院があり、ここには滝と不動明王があります。さらに林道を登っていくと経塚があり、真新しい甕が置いてあります。なかにお経を入れると良いそうです。この付近は「伊和瀧の内公園」となっているようで、和歌の彫ってある碑が沢山建てられていたり、それなりに整備されています。

さらに登ると石休み台という展望台があります。西に黒尾山と旗峰が見えます。この近くに坊ノ元という四等三角点(354.51m)があります。地形図では林道の山側に描いてありますが、実際は谷側(西側)にありました。点の記は正しい記述になっています。これは新しい三角点なので、石ではなく金属のプレートでした。ここは林道が二つに分かれているところで、分かれ目の尾根から登り始めました。これは[2]の登山ルートと同じです。尾根の先端は削られて崩れやすい崖になっているので、少し右手にまわって登ると、切り開きがありました。

この尾根は急峻ですが、登るのには問題はありません。国土調査と書いてある赤いプラスチックの杭が打ち込んでありますが、この尾根は何の境界でもありません。その割には「界」という字の読み取れる石標もあります。最初の急峻な登りは雑木林の中ですが、登るにつれて植林になりました。手入れの良い植林で道もありますが、道を辿っていくと尾根に登れないので、左右に延びる道は無視して尾根を登り続けました。

尾根に出ると、良い道があります。尾根の東側には送電線が通っています。北に歩いて行くと、右下に鉄塔があるので降りてみたら、播磨北線6でした。尾根は北に向かって登りです。最初の653mピークは楽ですが、849mピークまで200mを尾根道で登らねばなりません。途中は岩場もあり、また東側の展望があるので楽しめます。849mピークの手前は急斜面の植林となりました。

849mピークの付近は幅広い植林の尾根です。ここから北西の伊和三角点までは尾根歩きとなります。しかし、倒木が多くて尾根は歩けません。南に斜面を降りて歩きましたが、少し行ってから尾根を見ると木が無くなっており、開けている感じがしたので、伐採された木を乗り越えて尾根に登ると、そこに伊和三等三角点(841.7m)がありました。周囲は伐採されており、特に北と東には展望が開けていました。東方面では赤と白の鉄塔が雪彦山の北側の山を越えていくところがよく見えます。北は暁晴山がよく見えますが、黒い煙が立ち上っていました(写真)。山焼きの日だったので、その煙でしょう。

次は下山ですが、一番楽なのは北側のようです([1])。点の記も、北からアプローチしています。しかしそうすると車を置いてきた瀧ノ内林道から遠くなるので、西の尾根を伝って林道に降りようとしました。これは[2]のルートと同じです。まず北西に尾根を進み、その先から西に折れて、鞍部を通って750m+のピークに登りましたが、この付近は「東市場生産森林組合所有地」と書いた真新しい標識が立っているわりには倒木だらけでした。その後は南西に尾根を降りましたが、ここには鹿避けネットの残骸があります。降りるに従って尾根は荒れてきて、岩場と倒木で歩きにくくなりました。最後はとにかく歩きやすい方向に降りて行きましたが、それでも石と倒木だらけの谷を歩く羽目になりました。結局出てきたのは地形図で「はりま自立の家」から北に分岐している破線道の先の谷でした。破線道を探しに倒木を乗り越えて降りようと思っていると、南に林道が見えたので、そちらに歩きました。これは瀧ノ内林道の続きで、どうやら瀧ノ内林道とこの破線道は本来は繋がるはずのようですが、接点で破線道が倒木で埋まっているのではないかと思います。とにかく林道を再び全部歩いて、入口まで戻りました。

例によって下山でしくじりましたが、それを除けば気持ちの良い尾根歩きでした。

展望 ★★☆
藪山度 ★☆☆~★★★ 下山は失敗です

2009年4月5日日曜日

深山の南尾根

福崎町と加西市の境界にある深山は赤白の鉄塔が立っており、どこからでも目立つ山です。鉄塔がある以上は保守道路が整備されていて登山向きではなさそうな気がしますが、登山道を選べば歩き甲斐のある山になります。

入口は当然神姫バスの「日光寺登山口」停留所でしょう。北に峠道を行くと、右手に分岐がありますが、これが笠形林道の入り口です。深山から釜坂峠を通り、舟坂峠を通り、笠形山の東側を通って高坂トンネルに達する総延長34.4キロという大規模な林道です。これをどう避けるかが、この後ずっとつきまとう問題です。

林道には入らず、まっすぐに亀坪に入り、近畿自然歩道を通って日光寺を目指して登りました。日光寺までは登山道を登りました。途中で横切った舗装道路の脇には、ものものしい灰色の鉄塔が立っていますが、兵庫県防災日光寺中継所とか兵庫県水防日光寺とかの防災無線のようです。日光寺から墓地を抜けてさらに舗装道路を登ると、右手に分岐があります。これは何も表示がないパラボラの付いた灰色の鉄塔ですが、監視カメラがあるところを見ると防衛庁のもののようです。

この先舗装道路をさらに登ると、アンテナだらけになります。民放とNHKのアンテナがあり、無名のアンテナの奥にツーカーのアンテナです。新しい三角点の標石がNHKの裏手にありました。この付近は眺めの良い場所です。

地形図を見ると、一見してここから東に尾根伝いに道があるようですが、通信塔の保守路は山頂で終わっています。尾根は防衛庁のアンテナの裏手になりますが、はっきりしした道はありません。藪を下りていくと、右手に有刺鉄線があり、それに沿ってなんとなく道がありました。倒木が多く、藪もあるので整備されているとはとても言えませんが、とにかく尾根伝いに林道まで歩けました。

林道は尾根より北側を通っています。尾根から林道に降りると向い側に鉄階段があって、尾根に登れるようになっています。この尾根も倒木とイバラが多く、歩きやすいとは言えません。尾根が狭い場所では林道と接近するので興ざめですが、一応は藪山の尾根歩きを楽しめます。あまり急な登りがなく、楽な尾根です。途中に「郡界石」と彫ってある石が埋まっていて、ここが福崎町・市川町・加西市の境界点です。この先は笹藪ですが、道があるので大丈夫です。最後は舗装道路に出てきますが、これが深山の通信塔の保守道路です。「明石海峡大橋が見えます」という札が道路際に立っていますが、この日は見えませんでした。山頂の赤白の塔はドコモの深山無線中継所です。東と北の展望が望めます。笠形山は正面です。

下山は一度先ほどの「郡界石」まで戻り、テープのマーキングの「亀壺中池」に従って南の尾根に向かいました。しばらくは良い感じの尾根歩きです。ただ、下りになってきた辺りが要注意で、真っ直ぐ降りると尾根を外れるので、左寄り(南東)に向きを変えました。そうすると歩きやすい尾根がありますので、それを降りました。しばらくするとまた「郡界石」がありますが、ここで南(右)に進路を変えました。真っ直ぐ歩くと畑町の奥池の北に降りてしまいす。ここからも歩きやすい尾根で、途中に低い松の木が群生している場所があり、展望がありました。写真は、ここから見た畑町方面です。最後は地形図で破線道の通る鞍部に出てきました。

この鞍部で東西を見ると、道と呼べるものはありません。倒木を跨いで降りて行けそうな気はしますが、今まで降りてきた尾根道よりは荒れている様子なので、真っ直ぐ南に尾根を進みました。だんだん荷造りテープが張られている場所が増えてきて、松茸山だと分かります。しかもかなり大量にカンやペットボトル、弁当などのゴミが捨てられていて、沢山採れるようです。

早戸三角点(290.2m)は、やや藪っぽい場所で草に覆われていました。この先はシダが増えてきますが、歩きにくいほどではありません。右手に林道が見えるようになってきたので、適当なところで鉄階段で林道に降りました。

低山の南斜面で厳しい藪を予想していましたが、意外と歩きやすい里山でした。林道を使うもよし、尾根の藪を歩くもよし、楽しめる山です。

展望 ★★☆
藪山度 ★☆☆