2010年5月29日土曜日

けんこうの里三日月の裏山

「けんこうの里三日月」は、姫新線の三日月駅から志文川に沿って北に行った川沿いにあります。ここから東の山を歩きました。この山並みは、高丸山の西に位置しており、高丸山のように倒木だらけではないか心配でした(2006/12/02)。ただ、志文川沿いに走って見上げると、倒木処理の済んだ斜面が多く、数年前とはだいぶ様子が違うようです。

「けんこうの里三日月」の北側の橋を渡ると、地形図では目の前に破線道があります。実際はこの道の入り口はもっと南側なのですが、橋を渡った所にも小道があり、破線道に出られます。地形図から見ても想像できるように、これは貯水タンクへの道です。タンクの脇には小さな祠もありました。タンクの方に登らずに真っ直ぐ歩くと、この道は尾根に繋がっています。ここから尾根歩きが始まりました。

とりたてて言うことのない雑木林の尾根です。道はありますが、倒木がふさいでいることが多く、回り道が多くなります。「兵庫県造林緑化後者分収造林」と書いたプラスチックの杭が倒れていたあたりから植林になりましたが、植林と雑木林が混ざった尾根です。赤い「火の用心」が建てられており、北側を走っている送電線の鉄塔の保守路になっていることが分かります。

植林と雑木林を歩くと、いきなり開けた場所にでてきました。中野向ヒ四等三角点(465.43m)がありました。私の持っていた地形図には書いてない新しい三角点で、当然金属製です(写真)。周囲は伐採してありますが展望はありません。西側に鉄塔が見えますが、行って見るにはちょっと距離があります。この後も雑木林の尾根が続きます。なぜか大阪営林局の「火の用心」の札が落ちていました。プラ階段があり、巨大な紅白の鉄塔に出ました。播磨西線52です。周囲には高い木がなく、西や南に展望があります。

この先少し登ると数メートル四方の空き地があり、ここが尾根の分岐点です。帰りは南に行ったのですが、まず北の尾根に向かいました。雑木林の続きです。次の鉄塔は斜面に建っており、西や北の展望があります。さらに北に行くと、白い布を巻き付けた紅白の棒が立っていました。この付近からは、高丸山方面も見えます。そして尾根を下ると、「地籍調査」のピンクのテープの下がっている鞍部に出てきました。これが地形図の破線道が通っている鞍部です。西に降りる道は不明瞭でしたが、下は植林なので、多分降りられると思います。東側は関電のプラ階段が続いており、こちらに降りると小川があり、反対側には道がありました。地形図の破線道で、南の鎌倉に繋がっています。この道を北に歩きましたが、倒木が少なく、簡易舗装までしてあるので楽に歩けました。

この道は山頂近くになると山頂を迂回して大きく右に曲がって南に進み、また北に折れますが、折れる所には赤い「火の用心」がありました。この尾根にも鉄塔があるようです。この先は道は下りになり、整備されているようでした。しかしそちらに行ってしまうと帰りにくくなるので、西のピークに登り、そのまま西に降りました。ここは佐用町と宍粟市の境界ですが、境界の尾根は倒木がひどいので、少し南の谷を登って南北に走る尾根に出ました。ここから北に尾根を歩いて畑尻三角点を見に行こうと思ったのですが、倒木が多そうなのであきらめて、尾根を南に歩きました。雑木林に地籍調査のテープが続いており、先ほどの鞍部に戻ってきました。

この後は尾根の分岐まで戻り、さらに南に尾根を辿りました。この先の尾根は、ところどころ倒木はありますが、問題無く歩ける雑木林でした。ただし尾根が繋がっているわけではなく、見えない尾根に向かって斜面を降りなければならない場所が多く、何度も進路変更して疲れました。道があるところも多いのですが、そのまま歩くと東の谷に降りて行ってしまいます。437mピークの付近も、東側を巻く道があったのですが、南のゴルフ場の方に行きそうだったので、ピークを越して西の尾根に進みました。

この先の尾根は幅が広く、迷いそうになりました。ピンクテープのマーキングが時々ありました。そのまま辿れば北の谷に降りられたかも知れませんが、初心貫徹で尾根を降りました。そのうちに林道のような道に出たのでほっとしたのですが、これも西に歩くと終わってしまいました。反対向きに歩けば、南の谷に降りられたと思います。最後はやや木の密度が高い雑木林を降りて、植林に出て、道を見つけました。

「けんこうの里三日月」には温泉がありますので、一風呂浴びて帰りたかったのですが、着替えを持っていなかったので諦めました。意外と倒木が少なく、歩きやすい尾根でした。

展望 ★☆☆
藪山度 ★☆☆

地形図は「土万」です。

2010年5月8日土曜日

久崎の西の山

最近は千種川沿いの山を歩いていますが、今回は久崎です。久崎から西を見ると、谷の奧にいくつかのピークがあって、一周歩くには向いていそうです。出発点は、久崎から南に千種川を渡った小赤松にしました。細い橋を渡るとお地蔵さんがあり、「雨村境」と書いた標石があり、その上には農業用水が流れているコンクリートの樋があります。その上には鹿避けネットが張られています。あちこち調べたあげく、樋の下に金属の網が張ってある部分で針金をはずして潜り込みました。元通りにしておきましたが、あまり良い入り方ではありません。いきなり急斜面の藪となっており、しばらく登ると植林の尾根に出ました。少し藪を登ると、小赤松四等三角点(118.84m)がありました。藪の中で見落としそうです。ここからは長い尾根歩きです。

藪の尾根ですが、切り開きがあって、邪魔な枝を避けて歩けば進めます。やや急な登りが続き、まず270m+付近に出ると、一息つけます。ここからは南西になだらかな尾根を歩いて322mピークに出ます。とは言っても、この付近はいくつもピークがあり、木が邪魔でどれが最高地点かわからないので、どこが322mピークだったかよく分かりません。少し下ってからまた登りになりますが、350m付近の平坦な場所から、林道があります。最初はやや荒れていますが、松茸山なのか荷造り紐が道の片側に張られるようになると、どんどん太い道になります。433mピークの脇を通って、南に下ると分岐がありますが、右手前を曲がるやや荒れた道は433mピークの北側で終わっていました。植林の中の良い道を選ぶのが正解です。

久崎から西に入った谷の奧に地形図で見ると丸っこい430m+ピークがありますが、この手前に林道の交差点があります。久崎の方からコンクリートの道が上がってきています。ピークに上る道もあるので行ってみましたが、シダが茂っていて歩行不能となり、道の脇の藪を抜けてピークに出ました。何もありません。道に戻って西に下ると、南からの道と合流しました。たぶん、コンクリートの道の続きでしょう。西に道があるので歩き続けると、最後は藪になり、その先にトタンの波板で作った小屋があります。ここまで来ると行きすぎで、実は南からの道に合流したあたりから北に藪を歩く必要があります。そうすると、北に向かう尾根に乗れます。

ここからは林道はありませんが、切り開きがあるか木の間が広く空いていて、歩きやすい尾根でした。方向を気をつけないと別の尾根に行ってしまう所が何カ所かあります。390mピークの先は、意外と楽に北向きの尾根に乗れました。そして、やや急な斜面を登り、高畑三等三角点(378.83m)に出ました。周囲には何もなく、落ち葉の中に標石がありました(写真)。このあとも、歩きやすい尾根が続きました。途中でやや尾根をはずれてしまった所もありましたが、ひどい藪はありません。一部は植林です。ヌタ場で水浴びをしている猪に会いました。しかし最後の321mピーク付近に来るとピークの周りは枯れ木などが多く、苦労して頂上に登ると、展望台でした。浅瀬山城跡展望台です。周囲を300度くらい見渡せます。この展望台は、この山の下にある笹ヶ丘公園の附属設備なのですが、そちらに降りてゆくつづら折りの道は途中に崩落箇所があり、登り口には「土砂崩れにより危険」と書いてありました。せっかくの素晴らしい眺望がもったいないので、是非登山道を整備してほしいと思います

このコースは下草がほとんど生えていないので、とても歩きやすかったと思います。眺望が得られるのは展望台だけですが、楽しめる山歩きでした。

展望 ★☆☆ 展望台は別格です
藪山度 ★☆☆

地形図は「上月」です。

2010年5月4日火曜日

河野原の裏山

千種川沿いにドライブすると、上郡と赤松の間の西岸に長く千種川に突き出した尾根があります。この戦艦のように延びた尾根をいつか歩いてみたいと思っていたのですが、今回河野原三角点まで行ってみることにしました。

登り口は赤松の南の横山です。地形図ではここには苔縄からしか行けませんが、実際は赤松から橋が架かっています。橋を渡ると「赤松橋 ふれあい公園」と書いてあり、ベンチがあります。しかしこの付近はあまりに急斜面で、尾根には登れません。尾根への登り口は、崖を横山の方に回ったところです。金網のフェンスがあり、金具一つで留まっている所から入れます。何の表示もないのですが、角の所です。中に入ると階段があって、楽に尾根に登れます。少し登ると灯籠と祠、それにベンチがあります。ここまでが公園のようです。この先の少し藪っぽい尾根を歩くと、横山四等三角点(119.65m)があります。

灌木の藪で、枯れ枝を折りながら歩きましたが、切り開きがあって、歩きやすい藪山です。智頭急行の横山トンネルの上を過ぎると、やや平坦になりますが、この付近には岩が多く、人工のものかも知れません。この尾根は千種川に突き出しており、南北両側が見渡せるため、木を切れば見張りを置くのに最適の場所です。昔何かがあったとしても不思議ではありません。242mピークも落ち葉の藪ですが、切り開かれています。この後も快適な雑木林の尾根歩きです。何カ所かヌタ場があって、オタマジャクシが泳いでいました。木が茂っているので適当に日差しを遮ってくれます。気持ちよく歩いて、354mピークに近づくと、シダが少し増えて、尾根に沿って荷造り紐が張られています。松茸山なのでしょうか?354mピークからも雑木林で、シダが少し生えていますが、落ち葉を踏んで歩けるところがほとんどです。マムシが丸くなって日向ぼっこをしていました。350mの等高線のあたりで尾根の荷造り紐が二つに分かれますが、ここは尾根を登っていきます。そして、380m付近で林道に出てきました。

赤土の斜面を削った幅2m以上の立派な林道です。とりあえずこれを横切って尾根を登り、河野原四等三角点(410.62m)を探しに行きました。周囲は主に松の林で、倒木は整理されて積んであります。三角点付近にはビールの空き缶の山がありましたが、三角点は見つけられませんでした。なんとなく空き缶の山の下にありそうな気がするのですが。さて林道ですが、歩いてみると三角点の周りを一周しています。東の端に突き出た尾根があり、それも一周しています。この尾根は木が少し刈られており、下から見ると孤立した林に見えていました。展望台というわけではありませんが、眺望は素晴らしいものでした。

林道がどこから来ているのか、少し歩いてみました。北西の尾根に沿って行くと、林道はあちこちに分岐しています。しかし、主な道は尾根沿いらしく、456mピークの北に出てきました、林道が頂上に延びていたので、456mピークにも登ってきました。林道が船岩から来ていることは明らかでした。Google Earthで見ると、三角点付近までは延びていませんが、456mピーク付近では林道があちこちにできています。ただ、山を下りる道は無いようですし、町境の北にも延びていません。周囲は松林なので、林道を作る目的がよく理解できません。倒木を片付けているのは分かるのですが、その後どうする計画なのでしょうか?

ひとしきり林道を歩いてから、下山を検討しました。三角点の南東から、河野原の宝林寺に向かって尾根があるので、これを下りることにしました。林道が大きくカーブしている先がこの尾根なので、そこから藪に入りました。倒木のある藪を少し下りて、尾根の北側を探すと道がありました。先の赤いプラスチックの杭が打ってあります。この道は尾根沿いに東に向かっています。急な道ですが、ジグザグに降りるも良し駆け下りるも良しで、長く延びた尾根の先(約270m)に着くと、祠と共同アンテナがありました。この付近はシダが茂っていますが、道ははっきりしています。最後は道は北に降りていたようですが、まっすぐに宝林寺の方へ降りると、祠や石仏の置いてある見晴らしの良い場所に出てきました。ここは智頭急行の写真を撮るには絶好のスポットで、鉄道写真マニアには知られた場所のようです。写真は、ここから見た横山の尾根です。宝林寺までの下山道には石仏がたくさん置いてありました。

登りの尾根は予想どうりでした。無理な登りもなく、下山も道があって楽でした。林道には驚きましたが、この先どうなるのでしょうか?

展望 ★★☆
藪山度 ★☆☆

地形図は「上郡」です。

2010年5月1日土曜日

上月城跡歴史と自然の遊歩道

千種川沿いの上月城は、戦国時代に激しい戦いがあったことで有名です。この城の奥の方を歩いてみようと思いました。上月歴史資料館に車をとめて、登山道を登りました。しばし登ると上月城の碑の立っている平坦地に出ました。さらに西に歩くと、いくつかの曲輪と堀切を通った後、道は下山道となります。この先は藪尾根を歩くつもりでしたが、遊歩道がありました。遊歩道は全長7キロ(約3時間)と書いてあります。というわけで、藪歩き転じて遊歩道ハイキングになりました。

良く整備された道で、標識も多く、入り込んではいけない方向には紐が張ってあり、「行き止まり」と書いてあります。何も考えずに歩くだけです。途中に「大亀山陣跡」と書いた標識が転がっていましたが、道がよく分かりませんでした。254mピークへの道だと思います。行こうと思えば、登り切ったところで東に尾根を下れば良いのですが、笹藪です。

尾根を通らず北側を巻いて行く道なので、ちょっと不満でした。余りに歩きやすい道が続くので、途中で「行き止まり」の紐を潜って山頂まで登ったところ、切り開かれた平坦地がありました。柱が埋まっていた跡がありましたが、古い物ではなく、建物が撤去されたような感じでした。周囲は笹藪で、尾根を辿る気にはなれず、遊歩道に戻りました。

地形図では日高の南に破線道があり、後山を一周していますが、この南側の道は見つかりません。遊歩道は良い道に出てきますが、これは破線道の途中です。ちょっと北に行くと、柊神社があり、日高から後山を反時計回りに回って、この神社が終点となっています。神社と反対に西に歩くと、自動車が通れる未舗装道路です。しばらく行くと、「大成の南の砦」「大成の北の砦」と書いた標識が左右にあり、正面には「築地」と「利他村」への方向が示してあります。左側に行くと築地と南の砦がありそうなので行ってみたのですが、林道に「関係者以外通行禁止」の車止めがあり、その先で林道は二股に分かれていました。結局築地がどこにあったのか分かりませんでした。

次に北の砦を見に行きました。植林の中の荒れた道で、今日初めて藪山歩きになりました。植林と雑木林の境界を登っていき、雑木林の平坦地を歩くと、大きな岩がいくつか転がっていて、おそらくこれが砦ではないかと思います。そして、愛宕山三等三角点(405.1m)の場所にも、礎石のようなものがありました(写真)。地形図ではこの山は後山となっています。肝心の三角点が見つからなくて悩んだのですが、礎石の近くにブルーシートがあり、その下に隠れていました。このブルーシートは発掘作業か何かの跡ではないかと思います。

三角点から北に降りると、KDDIの上月基地局(アンテナ塔)が立っていました。いきなりしゃれた建物があり、その庭を通って道路に出ると、「利他の花咲く村」の看板がありました。牧場のような感じの施設です。ここからは舗装道路を目高から上月歴史資料館まで歩きました。

遊歩道ですから歩きやすいのは当然ですが、ハイキングには向いたコースだと思います。ただ、もう少し遺跡などとの関係がはっきりしていると面白みが増すことでしょう。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★☆☆

地形図は「上月」です。