2011年5月5日木曜日

倉床川水源地を一周


一昨日に藤無山を歩いた時に、東に見えた山並みが気になりました。帰ってから調べてみると倉床川の上流で、素晴らしいコースのようだったので、また出かけてみました。

山崎から県道6号線でひたすら揖保川を遡ると、倉床の「ふれあいの森」を過ぎて、県道は富土野トンネルを目指して山に登り始めます。この手前に分岐があって、「銅山」と書いてあります。こちらの細い道を走り、人気のない富土野の集落を通り抜けて、すれ違い不可能の林道に入るとログハウスや作業所があります。その先は未舗装になって荒れ気味なので、車を降りて歩き始めました。

深い谷ですが、林道は歩くには十分です。橋があって分岐があり、右が「銅山」になっています。少し曲がった谷を歩くと左手(西側)に墓地がありました。明治時代の墓石が多いようです。ずいぶんと山奥に墓地を作ったものですが、廃村となった大路集落のものかも知れません。また橋があり、分岐点に「銅山登山口」の道標があります。ここを右に曲がり、そのまま歩けば大路峠に行けますが、富土野山(古屋山三角点)に行きたかったので、東側の植林を登りました。地形図で見るとこの付近の斜面が一番勾配が緩いのですが、それでも標高差200m以上を登らねばなりません。休み休み30分近くかけて、やっと頂上に出ました。「界」と書かれた標石がありました。ここから北東に向かう自然林の尾根は広々していて気持ちが良く、たちまち富土野山山頂に着きました。古屋山三等三角点(759.91m)がありました。

ここからは稜線を縦走です。宍粟市と養父市の市境であるだけでなく、日本分水嶺でもあります。植林と自然林が混ざっていますが、快適な細尾根が続きます。「界」の標石も続きます。ちょっとした登りの後、大路四等三角点(822.34m)に着きました。ただし三角点を過ぎて真っ直ぐ進むと西に降りてしまいます。北に尾根を歩き、西に曲がって斜面を降りました。ここが大路峠(大路越)で、案内板が立っています。この先は標高差150mを登らねばなりません。北側の展望があり、木々も素晴らしいので、ここも休みながらゆっくりと登りました。まだ木は芽が出たくらいで葉は少ないのですが、葉が無くても木のプロファイルが美しくて楽しめました。大屋川の北側の山並みや、まだ雪をかぶった氷ノ山が見えました。そして気持の良い稜線を歩いて「銅山(どうやま)もしくは古屋山」山頂に着きました。筏三等三角点(953.68m)があります。

銅山から西も気持の良い稜線が続きます。しかし下山路への分岐([1])を過ぎると辺りは手入れの悪い植林になります。枝打ちしていないため顔の高さに枝が出ており、木の密度も高く、伐採した枝や木もあって、歩きにくくなりました。手入れが悪い植林と書きましたが、北側には稜線近くまで林道が来ているので、手入れしていないわけではなさそうです。植林を抜けて、また広々した尾根に出ましたが、ここでまた標高差100mを登らねばなりません。ここも気持ちが良いので楽しみながら登れました。頂上は一昨日にも訪れた946mピークです。

ここからは一昨日と同じ縦走となります。植林を過ぎて、896mピーク付近からは尾根に階段があり、まるで遊歩道です。黄砂の多かった一昨日と違って遠くまで見渡せて、西側は阿舎利や一山、東側はこれまで歩いてきた稜線の山々や大路峠、その向こうには須留ヶ峰(写真)などが見えました。もちろん藤無山も雄大でした。877mピークの南の展望の良い点を過ぎると尾根に伐採した木が放置されており、歩きにくくなりました。そして一昨日は西に曲がった46番標石のところを東に曲がりましたが、ここは降りるべき尾根が見えず、やや迷いました。しかし尾根に乗れば植林で快適です。今日歩いた尾根にはずっと「界標第百いくつ」と書かれた赤い大きな標石が埋められており、裏側は「字銅山」となっていました(土に埋まっていて先は読めません)。この付近にもこの標石がありました。844mピークを過ぎてしばらく東に進みました。下山には694mピークのある長い尾根を使おうと思っていたので、810mピークの手前の820m+の広いピークから北東に降りる必要がありました。ここは迷いそうだと思っていたのですが、赤い標石があって、その上に直角に曲がった筋が描かれており、ここを曲がれば良いのだと分かりました。じっさい赤いテープの目印もあったので、やや急な斜面でしたが真っ直ぐ降りると、目的の尾根に乗れました。

この尾根も植林が多く気持ちよく歩けました。694mピークの付近は植林ですが、北側には平坦地が多く、広々しています。難関はその東の標高が650mを切る付近で、東にまっすぐ尾根を降りたのですが、降りた先の平坦な尾根は灌木が茂っており、ネットもあって、今日の全コース中では最悪の場所でした。時々北の展望があるので我慢して歩くと、600m付近からはまた植林になりました。赤い標石もあって、これが下山に適した尾根であることを予感させました。じっさいそのまま植林の尾根を降りると、「銅山登山口」のある橋の南側に降りられました。大正解でした。

この日本分水嶺の稜線は確かにこの付近でも屈指の美しさで、全6時間のコースでしたが飽きずに歩けました。

展望 ★★☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「大屋市場」「戸倉峠」です。

0 件のコメント: