2011年9月25日日曜日

北から登るヒルガタワ



ヒルガタワというのは、植松山と荒尾山を結ぶ尾根にある1171mピークのことです(本来タワは峠を意味するので変ですが、慣例なのでこうしておきます)。このピークから北を見ると、八丈川からきれいな尾根が登ってきており、これを伝って登ることを計画しました。この尾根は原不動滝の裏山(滝を見る側の山)なので、滝を見に行って遊歩道から登るのが一番なのですが、入場料を払って滝を見に入りハイキングコースに行こうとすると「進入禁止」が掛かっています。そこで次はカンカケ林道を歩いてみましたが、林道は谷の北側を走っており、谷の南側の尾根に取りつける可能性はありません。結局カンカケ林道から南に分岐している長い林道の終点まで行って、そこから登るしかないという結論になりました。

車を林道の入り口にとめて、歩き始めました。長い林道です。谷川の斜面は伐採された木が山積みになっています。道はしっかりと作られており、自動車も通れそうです。しかし、いきなり問題が発生しました。橋が落ちているのです。この林道の橋はコンクリート製で、谷の両側に橋台を作ってそこにコンクリートの道路を載せているのですが、それが無くなっていました。谷を覗き込んでも落ちた橋が見つからなかったのが不思議です。この谷は狭いので簡単に上流側を歩いて渡れましたが、ここからは崩落がひどく、歩くのがやっとです。次に落ちていた橋は深い谷に掛かっており、注意深く上流側の谷に降りて渡りました(写真)。水量の非常に多い日でしたが、うまく渡れました。橋は、橋台の間に落ちていました。この先は意外と良い道で、無事な橋もあり、谷を東側に渡り、地形図よりも少し先で林道は終わっていました。

予定では林道を少し戻って903mピークを目指して登るはずだったのですが、林道が少し伸びていたことと、さらにその先に踏み跡があったことから、もう少し谷沿いを歩いてみました。細い谷で、植林の中を歩けるうちはよいのですが、そのうち石が増えてきて歩きにくくなりました。そこで、東側斜面を登り始めました。急斜面ですが植林なので障害物はありません。そのうちに自然林になりますが、勾配は相変わらず急で、最後は少し北に巻いて尾根に出ました。

あとは軽快な尾根歩き、と思ったのですが、この尾根は藪っぽく([1])、988mピークも藪です。最初の激登りよりも疲れました。しかし標高が上がると眺めが良くなってきます。荒尾山、大甲山が見えます。1083mピーク付近まで来るとだいぶ歩き易くなりましたが、この後は急勾配で、息を切らして稜線に出ました。ヒルガタワはすぐ西です。この後は稜線沿いに展望を楽しみながら西に歩きました。南は瀬戸内海や四国の山々、北は氷ノ山が見えていました。池を通り過ぎて、植松山に尾根が曲がる辺りで北西に斜面を降りました。これは2011/08/24に歩いたのと逆コースですが、広い尾根で迷いそうでした。この先は倒木地帯がありますが、1114mピークを過ぎて1150m+ピーク(大きな標石あり)まで、植林の中です。最近北側が伐採されたようですが、伐採の意図が分かりません。倒れた木はそのままですし、間伐にしては残っている木が無かったりします。それに、そもそも枝打ちしていない木が多く、その一方で広葉樹も伐採されています。まるでジェイソンが来て暴れて行った後のようでした。

1178mピーク付近からは藪っぽくなります。その北の鞍部には大きな岩があり、巻かないと歩けません。1170m+ピークも藪で、東側は伐採されています。最初はここから999mピークを経由して降りれば早いと思っていたのですが、こんな乱切りのような伐採の後を歩くのは嫌なので、カンカケ越に降りることにしました。こちらもあまり良い道ではないようでしたが([2])、少し降りると西側に展望が開けました。後山方面が一望できる絶好の場所でした。この後は踏み跡はずっと続きますが、低い松などの枝が突き出しており、それを避けるのが大変でした。鹿避けネットがずっと続きますが、ほとんど地面に落ちており、かえって尾根の目印になって助かりました。植林を抜け、カンカケ越に出て、林道で車まで戻りました。5時間以上掛かっていました。

原からカンカケ林道を進むと、八丈川が分岐するところで北に曲がりますが、この付近の東側には墓地があります。江戸時代の墓がほとんどですが、原の集落の墓地にしては遠すぎるので、附近に村があったのではないかと思われます。Googleの地図(ゼンリンの地図)を見ると、墓地の少し北側に建物が10個描かれています。この地図には川が描かれていないのですが、場所から判断すると川の西側のようです。しかし林道から眺めてみても、建物はありませんし、建物を立てられそうな場所もありません。大雨で全部流されてしまったのでしょうか?

展望 ★★★
藪山度 ★★☆
地形図は「西河内」です。

2011年9月24日土曜日

倉床の横山三角点


この山のことは[1]で知りました。山の名前は生身山というようです。登り口は揖保川の源流、桑垣の北、富土野トンネルへ道が分かれる手前の、青菜川にしました。「いぼ地蔵」のある所から林道青菜線に入りました。林道の南側の尾根に登ろうと計画していたのですが、急斜面の荒れた植林で、適当な登り口が見つかりません。しかし林道が川を渡る所(地形図とは若干違っています)に尾根が出っ張っており、「たつの坂」という標識がありました。この坂がどこを指すのかは不明ですが、標識の背後の尾根は坂というには余りに急斜面です。しかし登るならここだと思ったので、作業道を探して登り始めました。かろうじて踏み跡が残っていますが、崩れやすくて体を支えられません。結局木に掴まって登ったのですが、木がまばらにしかないため、かなり危険でした。少し登ると勾配も少し緩くなりますが、藪です。そのうちに鹿避けネットが現れますが、急勾配も藪もあまり変わりません。30分近くかかって、ようやく尾根の585m地点に到達しましたが、尾根も藪でした。

尾根を東に歩き、南東に下るようになると灌木が減り、木の間隔が開いてきました。ここから先は自然林のあまり勾配のきつくない登りとなります。最後に急斜面を登ると、荒れた林道に出ました。地形図にある標高700mの道です。砂利が敷いてありますが、かなり荒れています。尾根がばっさりと林道で切られているので再び登り口を探して、足場の良さそうな所から登ると、また気持ちの良い尾根になりました。勾配も緩く、コナラなどの林の中を気持ち良く登って行くと、横山三等三角点(855.07m)がありました。周囲は栗の木が多く、実がたくさん落ちていました。木が育っているので展望は良くありません。

あとは下山ですが、桑垣から延びる林道の南の尾根で降りると決めていました。まず尾根を東に歩きました。尾根は南に曲がりますが、この後は尾根なりに歩いて行くと間違えます。現在地を確認し地形図と見合わせながら、ようやく桑垣に向かう尾根に乗ると、700m付近で林道に出会いました。これは地形図には無い林道で、地形図の林道から延びてきているようです。林道で下山するのはあまりにつまらないと思ったので、そのまま尾根を歩きました。少し降りて、600mの細長いピークの手前付近で北側の植林が伐採されている所があり、ここからは水上山がよく見えました。ここまでにも藤無山が木々の間から見えるところはあったのですが、展望と言える程度に視野が開けたのはここだけでした。高度が下がると徐々に藪っぽくなるのはしかたがありませんが、植林で下草が無いので歩くのは楽です。最後は尾根の外れまで歩いて、人家を避けて植林の中の作業道で林道に降りました。

下山はもっと尾根を歩いて三ツ谷四等三角点経由で下垣内まで行けそうですが、出発点に歩いて戻るのは大変そうなのでやめておきました。最初に登った尾根は藪でしたが、あとは気持のよい雑木林や植林でした。ショートコースとしてお勧めですが、いかんせん場所が山奥すぎるでしょうか。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「神子畑」です。

2011年9月23日金曜日

赤西川北側の山々


竹呂山登山の時に眺めていた山ですが、情報を探してもほとんどなく、見つかったのは[1]だけでした。名前も分からないのですが、とにかく行ってみました。

国道29号線から波賀町原で西に橋を渡り、すぐに右に曲がります。引原川沿いに細い道で北に走りますが、この道は昔は波賀森林鉄道だったのかも知れません。赤西(あかさい)川に曲がり、舗装が切れると赤西林道になります。赤西川が引原川に合流する地点では、29号線から赤西林道に車では曲がれないので要注意です。しばらく走って、1106mピークから南東に延びる尾根の先に車をとめて、登り始めました。最初は非常に急勾配です。少し登ると若干楽にはなりますが、それでも771mピークまではきつい登りでした。この附近はほとんど自然林です。771mピークから先も自然林で、大きな岩もあれば大きな木もあって、退屈しません。自然林なので、間伐された木などはなく、多少の藪と急勾配以外は楽に登れました。

登り始めて一時間半ほどで、1106mピークに着きました。広く平らな場所です。西側は木がなくシダが生えており、竹呂山が見えました。ここから北へ縦走しました。最初は少し植林があります。そのあとは尾根伝いですが、何も考えずに歩いていると方向を間違えます。竹呂山だけでなく三室山も見えます(写真)。いちど降りてから登り返すと、また平らな場所が続きます。この山が三室山と同じようにチシマザサに覆われていたらどうしようと恐れていたのですが、この付近の竹はすべて枯れていました。ひょっとして花を咲かして死滅したのでしょうか?1107mピーク付近も静かな森です。

下山は1107mピークの北から981mピーク経由にしました。このほうが出発点に戻るのが楽だからです。この尾根は最初は歩き易かったのですが、標高800m付近で何も考えずに歩いていたら南の谷に降りて行ってしまいました。しかも大変な急勾配です。間違いに気が付いて斜面を西向きに歩き始めたのですが、急斜面で危険でした。幸いに斜面に作業道の名残りを見つけて、これを伝って赤西川に降りて行きました。やっと赤西川に降りられたのは、だいぶ尾根の先を北に回ってからだったのですが、赤西川は一昨日の台風の大雨で増水しており、とても渡れません。向こう岸には林道が見えているのですが、渡れずに川の東側を北に歩きました。東側も少し平地があり、歩くには余り困りませんが、尾根が川に突き出しているところもあり、その場合には斜面に作業道を見つけて歩きました。滑落しやすく、とてもお勧めはできません。炭焼き窯もいくつかあり、普段は容易に渡れるのだと思いますが、結局この日は渡れる場所が無く、ついに赤西川が二つに分かれる点まで来ました。ここは木材の集積所になっています。ここでは川が狭くなっていますが、それでもまだ渡れず、遡っていくと堰堤がありました。この部分の東側は急斜面すぎて歩けず、木に掴まっていったん尾根まで登りました。足元は崩れやすく、非常に危険でした。それから北に斜面を横切っていくと、伐採直後の谷に出てきました。木を引きずった跡はさすがに急すぎて降りられなかったので、作業道を見つけて林道に出ました。この後は赤西林道を戻りましたが、木材を積んだトラックが通るため、林道は泥で埋まっており、歩くには向いていません。途中で林道から見た堰堤はどれも水が全面にわたって流れ落ちており、ナイアガラのようでした。林道が赤西川を渡るとバーベキューの匂いがして、キャンプ場がありました。キャンプ場の案内板を見ると、この付近の尾根には「森林浴コース」が設定されているようで、登山道があるはずです。[1]のようにここから登る手もありそうです。

下山は1107mピークからもっと北に歩けばよかったのですが、そうすると伐採現場に出てしまうかも知れません。赤西川が増水していることは分かっていたのですから、もっとよく考えるべきでした。キャンプ場の所に平成24年1月31日まで間伐工事中となっているので、この期間はこの先には入らない方が無難でしょう。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★★ 下山は工夫が必要です
地形図は「西河内」です。

2011年9月13日火曜日

若桜から氷ノ山


これは普通のハイキングです。姫路から氷ノ山に行くのに、兵庫県側と鳥取県側とどちらから行くのが早いか調べてみました。navitimeで姫路城からの距離と時間を調べると、兵庫県側は播但道を通ると102.2kmで2時間52分、使わないと100.4kmで3時間43分かかります。一方鳥取県側だと98.9kmで3時間33分です。どちらもスキー場までの距離で調べています。島根県側は安上がりで比較的早く行けて、しかも登山コースも短そうなので、行ってみました。

姫路からは国道29号線をひたすら北上し、新戸倉トンネルを通って若桜に出て、国道482号線でわかさ氷ノ山スキー場に着きました。navitimeよりもだいぶ早く、2時間ほどで着いてしまいました。車は氷ノ山自然ふれあい館にとめて、オートキャンプ場を抜けて氷ノ山越への登山道に出ました。植林と自然林の混じる気持ちの良い道で、最後はやや急勾配ですが、お地蔵さんと避難小屋のある氷ノ山越に出ました。ここからは尾根歩きですが、チシマザサの間の切り開きを歩きます。チシマザサの背が高く、まるでモーゼが紅海を歩いた時のようです。ブナの林もあって気持ちよく、最後はこしき岩を東側に巻いて、登山道に入って70分ほどで氷ノ山山頂に着きました。立派な氷ノ山一等三角点(1509.62m)と避難小屋、それにトイレ付展望台があります。まだ夏ですが、平日なので誰もいません。氷ノ山は地形図でも須賀ノ山と併記してありますが、なんとなく岡山側の道標には須賀ノ山と書いてあることが多いような気がします。

つぎは三の丸まで縦走です。ここもチシマザサが生い茂っています。こちらの道は少し道幅が狭いので、チシマザサをかき分ける場面もありました。また、木が茂っているところは湿地状態になっており、気を付けないと靴がどろだらけになります。三の丸には宍粟50名山の氷ノ山三ノ丸(1564m)の標識が立っています。展望台に上って雲の多いパノラマ写真を撮ってから(写真は鳥取方面です)、三の丸コースで下山しました。避難小屋とトイレ付展望台を通って、あとはよく整備された道を下りました。この季節はヘビの子供が多く、歩いていくとカサコソとササの中に逃げ込みます。最後はスキー場の最上部に着き、スキー場の中を降りました。木の階段は降りやすいのですが、場所によっては崩れかけており、またスキー場に入ってからは小石の多い急勾配を降りるので、この部分がこのコースでは一番歩きにくかったと思います。

ぐるっと一周して4時間弱で、さすがに道がしっかりしていると歩くのも速いものだと感心しました。姫路からだと往復のドライブと登山と、時間が同じくらいというのはもったいないので、山の上でもっとくつろぐのが正解でしょう。

展望 ★★★
藪山度 ☆☆☆
地形図は「氷ノ山」「若桜」です。

2011年9月11日日曜日

山崎町上ノの東の山


この山は伊沢川と河原山川に挟まれた、700m超の山並みですが、三角点もなく名前も分かりません。登山記録は[1]がありますが、最近Google Earthの地図(ゼンリンの地図)を見ていたら、南西の谷から林道が主尾根近くまで延びていました。これがあれば登山は容易そうなので登ってみることにしました。

登り口は、上ノ下(カミノシモと読みます)です。地形図に289mピークがありますが、まずこの付近を調べてみました。289mピークの後ろの鞍部には墓地があり、北東に繋がる尾根には小さなお堂と木材加工の作業場、そしてさらに墓地があります。この尾根を辿って登ることも考えましたが、今回は林道を調べたかったので林道で登りました。

地形図には短い林道が書いてありますが、この谷には堰堤があり、林道はその東側を通っています。最初は古い道ですが、その先は新しく切り開かれた、赤い土がむき出しの道になります。ゼンリンの地図のように谷にまっすぐに作られているわけではなく、谷から別れて斜面を登ることもありますし、枝分かれもたくさんあります。谷は倒木で埋まっており、周囲も倒木処理の残骸の木や岩で荒れています。最初はなるべく谷に沿うように枝道を選んでいたのですが、これは標高380mくらいで終わってしまいました。仕方なく少し戻って、今度は東に尾根を巻いて行く道を歩きました。なるべく東に行かないように進路を選ぶと、再び谷の上に出てきましたが、最後は450m付近で終わってしまいました。ただし尾根はすぐそこだったので、急斜面の踏跡を辿って尾根に出ました。

尾根は植林で、まずまず歩きやすかったのですが、勾配は急でした。543m地点は小さなピークですが、この先は藪っぽくなりました。東側は自然林で西側は植林という場所が多いのですが、尾根には消えかかった踏跡しか無く、灌木が多いので踏跡を辿れないところもありました。

746mピークは雑木林です。しかし北に伸びる尾根は植林で、間伐した木と枝で埋まっています。ここを我慢して歩くと、尾根が東に曲がる付近からは気持ち良く歩けるようになってきます。植林も自然林もありますが、木の間隔が広く、倒木もあまりありません。一度北に降りて、やや藪っぽい細尾根を歩き、東に曲がって自然林の大木の間を歩いて行くと、巨大な鉄塔に出ました。山崎智頭線20です。黒尾山の南側尾根を横断している送電線です。関電の赤い火の用心は鉄塔に北側に立っており、笹藪を抜けて道がありました。とりあえず北の752mピークを見に行きましたが、この付近は巨大な岩が多く、楽しめる場所です(写真)。関電のプラ階段は、752mピークの方に向かって付けられていました。

関電の巡視路で下山しようと考えていたのですが、752mピーク付近に赤い火の用心が見つからず、結局北西に延びる尾根で下山することにしました。この尾根は上から下までずっと植林で、間伐した木や枝で埋まっていますが、土が柔らかい以外は意外と歩き易く、たちまち谷に着きました。最後は非常に急なので、細心の注意を払って降りました。川は細いので簡単に渡れて、反対側には林道がありました。ちょうど林道が終わって破線道になる場所でした。破線道は谷道ですが、入り口に赤い火の用心が立っていました。どうやら関電の巡視路は、北の野々隅原に繋がる鞍部まで尾根を降りて、そこから谷道の破線道を通って下山するようになっているようです。林道を降りると、上ノ上(カミノカミ)に出てきました。

林道の存在は確認しましたし、標高差200mほどを林道で登れたので助かりました。しかし使える木だけを運び出すと、後は根や枝や岩だらけの山が残ります。この先この山はどうなるのか、心配です。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「安積」「千草」です。

2011年9月10日土曜日

原不動滝から竹呂山


原不動滝は県下最大の高さを持つ滝です。これを見てから竹呂山に向かいました。と言っても滝からいきなりは登れません。まず八丈川の北側のカンカケ林道を西へ歩きました。原不動尊奥之院入口という碑のあるところまでは舗装されており、あとは未舗装です。この奥の院は滝のすぐ上にあり、不動尊から続く八十八カ所参道が整備されていれば、滝からここへショートカットできるのではないかと思います。カンカケ林道は山の南斜面に作られており、しばらく行くと北側に谷があり、道がありました。古いものらしく、度重なる大雨で洗い流され、堆積物も多いので、歩くのがやっとです。橋が流されているところが何か所かありますが、小さな谷なので問題はありません。谷のつきあたりからは林道っぽくなりますが、こちらのほうが保存状態はましです。木材を運び出すために使った作業道です。分岐を適当に選んで歩くと、最後は谷の奥で終わってしまいましたが、尾根までは踏み跡を辿ってすぐでした。

ここは706mピークから北に延びた尾根で、そのまま登って行くと810m+ピークに出ました。スギの植林で地面は枝で埋め尽くされています。このあとも尾根は植林が多く、歩くのは容易でした。819mピークから西に折れて、いったん740m+の鞍部に出ますが、この付近は細い尾根で、いきなり深く尾根に切り通しのような切れ目があってびっくりしました。地形図では平坦そうですが、意外と上り下りがあります。しかし大部分は植林なので楽に歩けました。

834mピークを過ぎると伐採地があり、北側の展望が開けました。目の前は赤西川の北の1106mピークですが、竹呂山や三室山も見渡せます。写真は1106mピークと三室山です。標高850m近くまでは伐採地が続きますが、尾根の南側は植林なので、伐採地のシダや草の中はほとんど通らずに済みました。この後も植林が続きますが、980mピークに向けては急勾配の斜面でした。しかしピーク付近はブナの林で、癒されました。少し下ってから、またきつい坂を登ると1000m超の尾根に出ますが、ここもブナの林です。あとはひたすら尾根を登って、竹呂山の頂上に出ました。

休憩してから、カンカケ峠に下山しました。これは2011/08/31と同じルートで、この尾根の美しさは定評があります。今回は道を間違えることもなく町界を歩いて峠に出ましたが、どう歩いても峠近くは藪っぽくなります。あとはカンカケ林道を歩いて原不動滝まで戻りました。

カンカケ林道は波賀町のあちこちの観光地図に載っていますが、カンカケ峠から千種側は通行できないだけでなく、峠までも荒れ気味です。知らずにドライブに行く人がいてもおかしくないので、ちょっと心配です。じっさい下山途中に大型バンに出会って、原不動滝への道を聞かれました。

展望 ★☆☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「西河内」です。

2011年9月6日火曜日

登山道で登った船木山


船木山や駒の尾山といった岡山県と兵庫県の県境に並ぶ山々は、兵庫県人としては宍粟市側から登りたいものです。という訳でもないのですが、北側から船木山に登りました。このルートの方が、後山からダルガ峰に連なる尾根を縦走するのに便利だからです。

千種町から北に走り、鍋ヶ谷渓谷に入ってちくさ高原方面に良い道を走り、鍋ヶ谷林道の入り口に車をとめて林道を登りました。林道の入り口には鍋ヶ森神社奥の院まで3.5kmと書かれており、石碑もあります。鍋ヶ森神社は鍋ヶ谷渓谷にある神社ですが、今は「元鍋ヶ森神社鎮座地」という石碑が立っているだけです。ちょっと登ると分岐があって、西に行く道がありましたが、これは駒の尾山への最短の登山道のはずです。こちらには行かず、林道をさらに歩きました。この林道は最初は水流で大きな溝ができていたり、荒れた感じですが、少し歩くと砂利道で歩き易くなりました。良い気分で林道をひたすら歩くと、「船木山登山口」の標識がありました。「後山登山口」もあります。ちょっと見には道が良くわからないのですが、確かに登山道がありそうなので、登り始めました。

道がなければすぐに急斜面を登って尾根に上がるのですが、さすがに登山道は谷を奥まで行って、楽な勾配で尾根に出ています。この谷道は荒れ気味でマーキングも失われつつあり、しばらくすると辿れなくなるかも知れません。尾根に出ると道はしっかりしています。植林が多く、作業道を登山道に整備したようです。チシマザサが茂っているなと思ったら、尾根に出ました。40分ほどで登れました。林道の入り口で見た鍋ヶ谷国有林の説明看板によると、もともとこの登山道は鍋ヶ谷渓谷から谷を伝って登る「鍋ヶ谷コース」という登山道だったようです。

出てきた場所は船木山のちょっと東なので、まず後山に行ってきました。それから西に尾根を歩きました。ササが強烈に茂っていて、道が整備されていなければ歩けない尾根だと思います。道はとても良いので、ルンルン気分で歩けましたが、地形図を全く見なかったので途中の粟倉四等三角点を見落とし、鍋ヶ谷山も気づかずに通り過ぎてしまいました。駒の尾山の手前は広々したササの草原(?)となっています。コンクリートの避難小屋を過ぎて駒の尾山山頂に出ました。山頂はよく整備されていますが、宍粟市ではないので宍粟50名山の碑は立っていません。写真は駒の尾山から後山方面を撮ったものですが、これだけチシマザサが茂ると道が無ければ歩けません。聞くところによるとチシマザサは何十年かに一度花をつけ、一斉に枯れるそうですが、目撃したいものです。

駒の尾山からは北に尾根を縦走しました。これも良い道で、ここまで良い道だと他のルートを考える気になりません。1211mピークから急な坂を西向きに降りると、鞍部(大海里谷)には「駒の尾登山口へ」の標識がありました。これを降りても周回ルートになりますが、もう少し歩きたいのでさらに北に歩きました。その北には大海里四等三角点のある山があり、急登を予想していたのですが、なんと縦走路はこの山に西側を巻いて行ってしまいました。というわけで、この三角点も見落としました。

ダルガ峰の手前には大茅スキー場への分岐がありますが、「ちぐさ高原」に向かうと少し急登があって、ダルガ峰(峰は「なる」と振り仮名が付いています)山頂に出ました。この付近はとても気持ちの良い場所ですが、光が入ってくるのは西側の植林が伐採されているためのようです。東側は自然林です。この後はちくさ高原スキー場へ緩やかな植林地帯を降りて行きました。植林と自然林の境界を歩く付近はとても良い雰囲気でした。スキー場に出てからがちょっと問題で、どうやって降りたらよいのか分からなかったので、適当にゲレンデを降りて行ったのですが、途中からススキが茂った急斜面になってしまいました。スキー場がこんなに急斜面だとは思っていませんでした。やっぱり山の方が歩き易いという結論で、ちょっと林の中に入ったりしながら、道路まで降りました。

実は最初は鍋ヶ谷林道の終点まで行って登るつもりだったのですが、登山道があったので普通の登山になりました。なお、鍋ヶ森神社奥の院は見損ないましたが、林道の終点にあるようです([1])。これを読んで、終点まで行かなくてよかったと思いました。チシマザサは強敵です。

展望 ★★★
藪山度 ☆☆☆
地形図は「西河内」です。