2013年5月23日木曜日

神子畑の佐中三角点


朝来市神子畑の北側には900メートル級の尾根が続いていますが、昔鉱山だったため、簡単には足を踏み入れられないようです。そこで、やや大回りして神子畑と明延の間の尾根を歩いてみました。下には鉱山や一円電車のトンネルがあるはずですが、もちろんそんなことは尾根からは分かりません。

車は神子畑鋳鉄橋の駐車場にとめて、すぐ西の神谷川沿いの林道を登ると、二重の堰堤がありました。下の堰堤は平成2年、上の光り輝く堰堤は平成22年建設です。新しい堰堤のおかげで登りやすくなったかと言えば、まったくそんなことはありません。堰堤の手前の階段を登り、堰堤まで達しても、尾根へは急斜面をトラバースしなければ
なりません。しかも尾根と言っても急斜面の植林で、作業道を探してようやく登りました。ずり落ちそうで危険が一杯でした。植林を登ると少し勾配が緩やかになって、ネットが現れました。谷の向こうの696mピークの伐採状況がよくわかります。ネットに沿って登ると共同アンテナの残骸があり、そして鳥の奥四等三角点(579.99m)の金属プレートがありました。周囲はちょっと伐採してあります。ここからも登りですが、自然林で雰囲気が良いので気持ち良く登れました。730m+ピークで主尾根に出ました。

主尾根を西に歩きました。気持ちの良い自然林の尾根で、国土調査の青い杭が打ってあります。715mピーク付近までは全くも問題ありません。その先の730m+ピークへは急な登りで、さらに激下りとなるので、できれば巻いてしまいたいくらいです。その先も急な登りがいくつかあり、かなり疲れました。斜面には植林もありますが、尾根は新緑が美しい林がほとんどです。そしてようやく佐中三等三角点(931.22m)に到達しました。ここは「かせい」と呼ばれているそうです([1])。周囲は気持ちの良い林ですが(写真)、展望は無いので、通り過ぎて先に進みました。まだまだ美しい自然林が続きますが、徐々に植林が増えてきます。南西に尾根を歩くと地形図で少しひしゃげたHの文字のようになっている広い970m+ピークがあります。ここは北側が自然林、南側が植林という境界点になっています。Hの東側の尾根を南に歩くと国土調査のプレートが埋まっていました。このまま南に降りていけば684m地点を通って佐能に降りられそうですが、降りた地点が封鎖されていたら悲劇です。そこで、Hの西側のピークから、養父市との境界の尾根を目指しました。

Hの左下の出っ張りを西に歩くと、深い切れ込みがあって林道に出会いました。南から延びており、この鞍部に10mもある深い切通が作られています。おそらく広域基幹林道須留ケ峰線の延長でしょうが、ここで終わっており、須留ケ峰へは到達していません。予定では大杉山の東にある林道に繋がるようです。林道で切り開かれたおかげで、この地点は南北に展望があります。このまま林道で下山もできたと思いますが、工事の音もしていたので、予定どうり反対側の斜面を登って市境の尾根を歩きました。自然林の尾根が続きます。栗の木が多いようです。尾根が南に折れる所に金属プレートの間歩谷四等三角点(967.27m)があり、近くには葉っぱの大きな木が立っていました。ちらっと神子畑方面が見えました。この付近では東側斜面のすぐ下に道路が見えました。そしてやや細い尾根を登ると、2011/12/10に来た宍粟市養父市朝来市の境界点に出ました。その時は吹雪の中だったので、今見ると景色は全く異なります。しかし植林の中であることと三菱の杭がうってあることは、変わりありません。ここからは以前に歩いた尾根を南に辿りましたが、雪の中とでは全く印象が異なります。南に進むと自然林が増えてきます。神子畑二等三角点(977.49m)は「一ノ段」という名前もあるようです。尾根道でも必ずしも分かりやすいわけではなく、840m+ピークから南東へは急斜面を降ります。前回はよく雪の中で道に迷わなかったものです。朝来四等三角点(845.56m)付近は伐採してあり、笠杉山、千町ヶ峰、大段山が見えます。この付近の尾根は、この地域に多い山頂が平坦で開けた地形になっていて、それが歩いていて気分の良い理由です。しかし、朝来市としては西の外れの境界上の三角点に朝来という名前を付けるのは極端です。

朝来三角点からは南東に境界の尾根を降りました。ネットがあったのでそれを辿ると、真南の尾根に行ってしまいました。戻って市境を歩きましたが、こちらは非常に急勾配でした。なだらかな尾根になり、700m+の鞍部まで来ると、お地蔵様がありました。「願主大屋性道」などと書いてあります。ここが峠と思って、神子畑側に道を歩きました。斜面に付けられた道があり、最後はミツマタの中で消えてしまいましたが、ミツマタの間を降りて林道に出られました。未舗装の林道を下っていくと、立派な舗装した林道に出ました。これが須留ケ峰線です。あとは国道429を歩いて帰りました。

歩き始めてから佐中三角点までは2時間でした。朝来三角点まではさらに2時間かかっており、最後は林道と国道を1時間半歩きました。やっぱり途中で佐能の方に降りられれば楽だったでしょう。

展望 ★★☆
藪山度 ★★☆
地形図は「大屋市場」「神子畑」です。

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