2014年7月26日土曜日

明延から登る富土野山

富土野と明延の間にある日本分水嶺の山並みを、明延から歩いてみようという試みです。登り口は明延の明延トンネルにしました。北側からトンネルの南側に上がれます。トンネルが竣工したのが1991年とのことなので、その前は尾根を越える道があったのでしょう。今は荒れていますが、地形はそんな感じです。そこからトンネルの上を通って尾根を登り始めました。南側から電柱が登ってきて、尾根を上がっていました。やや急斜面ですが、海抜400m付近で電柱は終わっていました。近くに金網があったのですが、害獣避けだろうと思って通り過ぎました。

この先はしばらく楽な尾根ですが、500mが近づくと徐々に岩が増えてきます。この付近の岩は苔が生えていると木のように見えます。急登で570m+ピークまで登ると西向きの平坦な雑木林の細尾根になります。歩きやすいのですが、だんだんに尾根が細くなり、右下を見るとピットがありました。鉄条網で囲われているとはいえ、壊れている箇所から入れます。穴の近くに行って覗きこむ勇気はありませんでしたが、直径5mくらいの立坑です。さして深くもなさそうで、底に横穴があるのかも知れません。この付近の尾根はかなり削られたようです。付近には他にも有刺鉄線で囲われた場所があり、最初に気付かずに通った電柱の終わった所にあったのも、坑道だったかも知れません。

ここから急勾配の斜面を登ると、古屋四等三角点(674.03m)のある尾根に出ます。周囲は植林となります。気持ちの良い植林を南西に歩き、その後もずっと歩きやすい尾根が続きました。最後にちょっと登ると、分水嶺の主尾根に出ました。少し行くと大路四等三角点(822.34m)がありました。ここからは分水嶺を南に歩きましたが、藪っぽいところや迷いやすい所もあります。2011/05/05には逆方向に歩いているのですが、迷う地点が違います。小さなピークが続くので、登りも何箇所かありました。そして最後に急勾配の斜面を登ると、富土野山の頂上でした。古屋山三等三角点(759.91m)があります。周囲は植林と雑木林といろいろですが、2011/05/05に登ってきた西の尾根が一番きれいな林でした(写真)。

富土野山からは東の尾根で下山しましたが、どちらへ降りるかだいぶ悩みました。とりあえず降りてみたのですが、650m付近は伐採地となっており、倒木の間にシダが茂っていました。日差しが強いので、結局少し南の尾根を歩きました。この尾根はしばらく平坦ですが、600m付近は倒木の多い急斜面で、その後500m付近では尾根が東に曲がっていました。少し降りてから北に進路変更すればよかったのですが、急斜面を覚悟していたこともあり、そのまま東に降りてしまいました。ここは足もとが崩れやすくて危険な斜面です。そのうちに斜面の岩場にワイヤーロープが縦横に張られているようになりました。下の道路に岩が落ちないようにしたのだと思いますが、ひどく急な斜面です。最後は掴まる木もなくなって、斜面にあったロープを使って降りました。ところが道路(県道6号)に近づくと、道路の上にタイヤが一杯並べてあります。よく見ると斜面を落ちてきた木や岩を止めるための防護壁です。これがあると道路に降りられないので、斜面を北にトラバースして、防護壁の終わった所で道路に出ました。この下山は不正解です。

下山は伐採地を抜けて植林の中を降りるべきだったと思います。それ以外は、全体に急斜面はありますが、歩きやすいルートでした。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「大屋市場」です。

2014年7月21日月曜日

カニワ口から皆河三角点ダイレクト

雪彦山には何度も登っていますが、今回は尾根伝いに皆河三角点まで行こうという計画です。

千寿の水のあるカニワ口から、立入禁止の禁を破って県道430号線を北に入りました。国土地理院の地形図では黄色く塗られている道ですが、未舗装ですし、2009/11/21に歩いた経験では、途中でなくなっています。これを登って行くと、堰堤があります。前回はここから谷を歩いたのですが、ここに8,9と番号の書いてある赤い「火の用心」が立っています。ひょっとしたら巡視路で登れるのではと思って行ってみました。しっかり作られた道ですが、結局前にも来た木の橋に出てしまいました。ここで川を西に渡ると、登りたい東側の山に登れません。結局堰堤の方に戻りました。急斜面で登りづらい山ですが、岩の突き出ている所が少し登りやすそうだったので、そこから登ってみました。急斜面に植林の倒木が転がっており、灌木も多いという悪条件です。斜面を横に移動しつつ、登りやすそうな場所を探して登って行きました。足元は割としっかりしていましたが、とにかく急斜面です。15分ほど悪戦苦闘して、少し勾配が緩くなってくると、木にピンクテープのマーキングがあることに気が付きました。地籍調査の杭の上に付けられていますが、杭は斜面に真っ直ぐに付けられています。ということは下から上がってきているはずです。一番下は県道となりますが、県道から見上げた植林にはピンクテープは見当たりません。いずれにしても、この斜面を登るなら堰堤の手前の植林から登るのが一番無難のようです。

ピンクテープに従って真っ直ぐに植林を登ると、677mピークから西に伸びる尾根に出ました。この尾根はやや藪っぽいのですが、登って行くと岩が増えてきます。そして出てきた677mピークから先は、平坦で歩き易くなりました。700m+ピークには2つの赤い「火の用心」が立っており、9と10となっています。つまり、西カニワ渓谷から9鉄塔に登り、ここへ上がってくるルートがありそうです。10鉄塔に向かう途中で、林田四等三角点(697.64m)を見に行きました。周囲は平坦地で、シダの中に埋まり気味です(写真)。ここから鉄塔までは平らな植林の尾根でした。播磨中央線10鉄塔は、尾根の少し南寄りに建てられています。鉄塔はネットで囲まれていますが、東側の入り口の所に角をネットに引っ掛けて憤死した雄鹿の白骨が残っていました。関電の巡視員がもう少し頻繁に訪れていれば助けられたかも知れません。この後は平らになったり上り坂になったりの繰り返しです。特に標高870m付近には巨大な岩が尾根に居座っています。さいわいに南側を巻いて登れましたが、一瞬ぎょっとしました。この先には倒木地帯がありますが、巻いて進めました。山頂には西を向いた安富反射板が立っています。皆河三等三角点(915.68m)もあります。正面には姫路市最高峰(峰山とはこれのことか?)が見えます。この付近のネットは補強工事中のようでした。

ここからは宍粟市の姫路市の境界を歩きますが、ネット沿いに歩いていると北に向かってしまうので、ネットから南に出て藪っぽい道を歩かねばなりません。道に沿って地上に続いている黒いプラスチックの布(フィルム?)は、鹿避けの柵として作られたもののようで、ずっと続いていました。アシビなどが生えすぎて迷いやすい道を歩いて行くと、道標に出ました。北は峰山、南は鉾立山・雪彦山、今来た道は大かつらの木・千寿の水です。ここからは紅白の播磨中央線13鉄塔を過ぎ、通称鉾立山、雪彦山四等三角点(915.14m)のある雪彦山を通り、鹿ヶ壺方面に下山しました。以前にも歩いた道ですが、記憶よりも狭く、灌木が伸びてきているのかも知れません。なお、千畳平・鹿ヶ壺への分岐は、地形図とは場所がかなり違っていて、ちょっと悩みました。あとは舗装された道で車まで戻りましたが、途中に「ハイキングコース かつらの木へ」という道があったので行ってみました。非常に急な斜面に階段が作られていましたが、肝心のカツラの木は見落としました。帰ってきたら、カニワ口は子供の水遊び場と化していました。

この登りはかなりの体力を要します。天候も良く気温も低めだったので登れましたが、コンディションが悪いと危険かもしれません。

展望 ★★☆
藪山度 ★★☆
地形図は「寺前」です。

2014年7月20日日曜日

北から登る藤無山

藤無山登山コースにはいろいろありますが。真北から登るルートは開拓されていないようです。というわけで、真北から登ってみました。

姫路から国道29号線を北上して、若杉峠から奥若杉に行きました。道路がカーブする所に不動滝への入り口がありますが、滝の先はおそらく遡れないので、その西にある急勾配の林道に入りました。この道は舗装されていますが。石や木の枝が転がっています。すれ違いのできない細い道で、対向車が来ないかヒヤヒヤしているうちに、少し平らになりました。この付近は地形図では田んぼとなっていますが、現在は草が生えているだけです。浄水場を過ぎて、道がヘアピンカーブしている手前で車を停めて、真南の尾根に登ろうとしました。この付近は地形図では荒地ですが、以前は畑だったかも知れません。植林を目指して登り、少し西寄りの尾根に向かうと、林道がありました。この林道への分岐がどこにあったか記憶が無いのですが、この付近の尾根の先を巻いています。登っていく林道ではないことを確認して、林道から尾根にあがりました。非常に急勾配の植林の斜面ですが、土がしっかりしており、木につかまって登って行くことができました。急勾配が終わっても長く登りが続き、くたびれました。標高650m付近からは、少し楽になりました。

主尾根は障害物のない歩きやすい尾根でした。しかし急勾配が多く、標高750m付近と、970m地点の手前の900m付近は息の切れる急斜面でした。だいたいは自然林で、場所によっては片側が植林になっていますが、尾根全体が植林という場所はごく僅かでした(写真)。倒木で歩きにくい場所はありますが、藪はありません。藤無山に近づくと大岩が増えて楽しくなり、最後は気持ちの良い広々とした尾根になりますが、すぐに主尾根に出て、藤無山山頂に着きました。三本杉二等三角点(1139.36m)があります。三本杉とは何でしょうか?

藤無山からは東に縦走しました。ここは養父市と宍粟市の市境、というよりは日本分水嶺です。しばらくは低い笹の間を歩き、大岩のある場所を過ぎると、シダと倒木の斜面になります。ここは非常に歩きにくく、南寄りにあった道らしき所を辿りました。その東には、木のない見晴らしの良い場所も何箇所かあります。ヒカゲノカズラの群生地もあって、踏まずには歩けないのが残念でした。そして946ピークに登り着きました。ここまでは以前に藤無山登った時(2011/05/03)に通ったルートです。ここからは北東に向かいましたが、これは銅山に登った時(2011/05/05)に通ったルートの逆向きです。植林が多く、気持ちの良い尾根です。そのうちに北側下方に林道が見えてきました。そのまま尾根を940m+ピークまで歩き、北に尾根を進みました。この尾根は藪っぽいのですが、歩くのに困るほどではありません。そのうちに尾根の東側下方に林道が見えてきて、どこから来ているのだろうと案じていると、907mピークの先で林道が尾根を横切っていました。尾根の先にはさらに林道が伸びていました。

予定ではこの先も尾根を歩こうと思っていたのですが、天気も怪しかったので、ここから林道で下山しました。長い林道歩きでしたが、この林道(犬小路支線という名前のようです)はよく整備されていて、車でも通れそうです。

長い林道は整備されていましたが、奥若杉からの登り口の部分が一番危険そうでした。私の車は下山時にここでパンクしました。くれぐれもご用心下さい。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「戸倉峠」です。

2014年7月12日土曜日

生野町真弓から登る高畑山

朝来市と神河町の境界にある高畑山は、生野町白口から登ったことがあります(2009/05/23)し、西側からも登っています(2010/06/12)。今回は西の市川沿いの生野町真弓から登ってみました。国道312号線の南真弓付近は山沿いに良い道が整備されています。そのためコンクリート壁が続いて山に入るのは難しいのですが、南真弓に谷があり、ここから尾根に上がりました。非常に急勾配の植林ですが、作業道が残っているのであまり苦労せずに尾根に上がれました。少し登ると生野支線54鉄塔がありました。周囲は植林です。さらに植林を登り、標高500m+付近まで来ると平らになって一息つけます。しかしその後の510m付近から藪っぽくなり、550m付近は急斜面で真っ直ぐは登れません。北の尾根にトラバースして登りましたが、この付近は藪だらけです。ネットもあって歩きにくくなりました。610m+ピークには藪の中に共同アンテナの残骸があり、次の620m+ピークでやっとネットが北の尾根に降りていって、歩き易くなりました。ときどき藪がありますが、ほとんどは植林で、785mピークを過ぎ、870mまで登ると西に視界が開けました。八幡山方面が望めます。この先は比較的なだらかで木の間隔も広いので気持ち良く歩けました。この付近の山に多い、山頂付近がなだらかな地形です。地形図では山頂の西で破線道と合流するはずですが、未確認です。

高畑山山頂には本谷三等三角点(983.65m)と、兵庫県姫路土木事務所の銘のある反射板があります。南に展望があります。下山はまず白口の方に尾根を降りて、途中で827mピークの方へ尾根を辿りました。植林の尾根で、道があるところが大部分でした。そのまま真っ直ぐに降りて、755mピークを目指しました。この細長いピークは特に気持ちの良い植林でした(写真)。755mピークから西に降りて行きましたが、この付近から藪が増えてきました。南の谷では水の音が聞こえました。地形図ではダムの北側の細尾根は植林のマークが描いてありますが、ここは雑木林です。これまでの下山は植林で歩き易かったため、ここでかなり疲れました。この先ではパイプが尾根を越えており、頭上には電線が張られていましたし、その先にはウィンチのようなものが南北に尾根を横切っていました。おそらく北から南に何かを運んでいたのだと思われます。北にも土砂の堆積場(?)がありますし、南のダムも水を溜めるというよりはそのような目的で作られたのでしょう。じっさい水はほとんど溜められていないようです。尾根はずっと雑木林が続きました。途中で西の尾根に進み、さらに534ピークには行かずに南西の尾根に進むと植林が増えてきて、NTT DOCOMOの真弓通信塔に出てきました。通天閣のようなスレンダーな形をしています。保守路の金属階段が南側にありましたが、敢えてそれでは降りないで、さらに南に尾根を歩きました。植林を歩いて行くと、生野支線55鉄塔に出ました。ここからは真弓の越年神社にジグザグの道で降りられました。

一周コースの中央にある川は宮ノ谷川で、上流には宮滝不動がありますが、ダムの方は通行止めで「登山はできません」と書いてありました。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「生野」です。

2014年7月5日土曜日

氷室池北の尾根から氷室山へ

梅雨時でいつ雨が降るか分からなかったので、近くの山に登ってみました。氷室山は何度も登っていますが、今回は夢前川から北尾根にいきなり登ってみることにしました。山富から北に蒲鉾工場の方へ歩いて山を見上げると、なかなかの藪山です。コンクリート壁が作られていますが、入っていけそうな場所も何カ所かありました。結局北まで歩いてしまい、蒲鉾工場近くの水の音のする所を覗いてみると、小さな滝でした。なぜか小さな狐の置物があったのですが、川の南側に山へ入っていく道があったので、そちらに行きました。笹藪ですぐに道は無くなり、手入れの悪い倒木だらけの植林になります。下草も多く、歩きにくいことこの上ありませんが、ちょっと我慢して斜面を登ると下草も倒木も減ってきます。木の枝が邪魔ですが、典型的な里山となりました。あまり楽しみの無い山ですが、落ち葉を踏んで歩けますし、いきなり山奥の雰囲気が味わえました。シダは意外と生えていません。尾根に出ると標石もありますが、読めるような字は認識できません。書写山の向かいの山ですし、何か人工物がありそうなものですが、土が流れ出さないように谷に石積みが作られているだけで、何も見つかりませんでした。ただ、地形がやけに複雑なので、人の手が加わっている可能性は否定できません。

224mピーク付近に来ると木にテープのマーキングが付いていて、これが初めて見るマーキングでした。赤いテープに「224M」と書いてあり、ここが224mピークだと分かります。このマーキングは東から来ており、ここからはマーキングを辿りました。道が作られているところもありますが、シダ藪もあります。細長い224mピークの東の端は、まっすぐ歩くと南に氷室池の方へ降りてしまうので、東へ降りないといけないのですが、西から歩いてくるとこの尾根が意外と見つかりにくくて苦労しました。ここを降りると氷室池からの登山道と合流し、すぐに見晴らしの良い場所に出てきます。見えるのは氷室池の方向なので、氷室山と、遠くに高圧線の鉄塔が見えるくらいですが、周囲の山の木々の美しさにはいつも感心します。

ここからは整備された登山道です。少し東に歩くと北側が私有地らしく柵があります。兵庫県姫路土木事務所の基準点があってから一度鞍部に降りて、そこからは急な登りとなります。数年前に整備されたらしく、トラロープが至る所に張られています。そのため急登も楽で、置塩方面の展望のある場所に出てきます。この後も登りが続きます。ロープが張ってあるのは良いのですが、あまり道標が無いので迷うこともあります。播磨空港の2級基準点(写真)の後、私は真っ直ぐに北に進んでしまいました。こちらにもトラロープが張られていて整備されているのですが、谷に降りてしまいます。戻って東に降りて、氷室山を目指しました。そんなに高い山ではなく何度も登っているのですが、この付近の登りは意外と疲れました。最後は蛙岩とでも名付けたくなる大岩があり、山頂に出ました。狼谷三等三角点(371.67m)があります。以前に比べて周囲の木が育って、展望がほとんど無くなりました。

氷室山からは更に尾根上の登山道を歩き、氷室池の真ん中の山を下りました。この山は以前に登ったことがあるのですが、相変わらず人の手のあまり入っていない藪山です。シダ藪は少ないのですが、灌木が茂っており、かき分けないと進めません。イバラも多いので注意が必要です。しかし文句を言いながらも所々に道の名残があります。314mピークは少し開けている程度で展望はありません。ここから西に降りましたが、正しい尾根を探すのは困難でした。道の名残は南の谷に向かって付いていたのかも知れませんが、予定どうりに西へ降りました。しかし雨が降ってきたりして少し焦りが出て、結局北の谷に降りてしまいました。この谷は広く、以前は畑だったようです。小川を渡って北の藪を抜けて氷室池の堰堤まで歩きましたが、草が茂っていてかなり苦労しました。この谷にもマーキングはありましたが、じめじめして楽しみの無い谷です。

結局4時間も掛かってしまいました。標高差300mほどの低山とは言え、藪山ですので整備された道以外は簡単に踏破できるものではありません。なお北尾根への登り口は、南西の隅にある階段が良いかも知れません。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「姫路北部」です。